キャンパスアートアワード2022の
グランプリ作品「いい湯ださなぁー」が
キャンパスノートになりました。
コクヨ公式ステーショナリーオンラインショップにて
3月1日(水)11:00から、数量限定販売いたします。
⇒ 予定販売数量は完売し、販売は終了いたしました。
メーカー希望小売価格:190円(税込209円)
製品仕様 サイズ:6号(セミB5) 罫内容:A罫(普通横罫ドット入り・7mm) 枚数:30枚
受賞作品
【 グランプリ 】
長野市立豊野中学校 2年生
作品名
いい湯ださなぁー
夢眠 ねむ さんから一言
一目見たときから、気になって目が離せなくなった作品で、作者の別の作品も見てみたいですね。全部を描ききっているわけではないのに、サルそれぞれの個性が出ています。寒い中での暖かいお湯や苔むす岩も上手に表現できている。ジワジワくる、スルメのような味わい深さがあります。
受賞者インタビュー
ー グランプリ受賞おめでとうございます。
去年の受賞者の作品をみてレベルの高さを感じていたので、グランプリなんて夢にも思っていませんでした。エイプリールフールかと思ったぐらいです。
先生をはじめ、家族や親戚もみんな喜んでくれて、後からじわじわ嬉しさがこみ上げてきました。題材を考えるきっかけとなったおばあちゃんの元気が最近なかったのですがすごく喜んでくれて、見違えるように元気になりとても嬉しいです。
ー 題材はどのように決めたのですか?
長野県といえばリンゴや善光寺が有名ですが、あまり表には出てこないものを考えたら、おばあちゃんの家の近くにある地獄谷野猿公苑を思い出しました。実際に小学生の頃に見に行ったときは夏で、温泉には浸かっていませんでしたが、描くなら冬の場面のサルを描きたいと思いました。
サルの表情は、昔見た表情を思い出したり、図鑑や写真を参考にしたりして、温泉に浸かっているサルはこういう表情をするんじゃないかと考えました。
右下にあるうずまきパンは、おばあちゃんの住む山之内町のご当地パンです。山形の蔵王に住んでいたときに、沢山送ってくれて、小さい頃から馴染みが深いものでした。美味しいので皆さんに食べてほしい、知ってほしいと思い、絶対に描こうと決めていました。
ー 絵でのこだわりや苦労した点を教えてください。
岩ひとつひとつの特徴を出すことと一番手前のサルの毛並みを表現することに苦労しました。岩は苔の感じを表現することが難しく、試行錯誤を重ねました。サルの毛並みは、光が当たっている部分と当たっていない部分を色鉛筆で描き分けるのが大変でした。
基本的には水彩絵の具を使っているのですが、他にもアクリルガッシュなど様々な画材を使い描いています。
ー ご自身の絵がキャンパスノートになることについてどのように感じますか。
いつもテスト勉強の時に使っているノートなので、とても嬉しいです。
勉強の合間に、自分の絵が表紙になったキャンパスノートをみてほっこりしたいし、使ってくれる人も癒されてくれたらと思っています。
またこの絵を通じて、地獄谷野猿公苑の魅力や長野県にあるということや、うずまきパンをぜひ知ってもらえたらと思っています。
【 読売中高生新聞賞 】
松島 舞依 さん
鳥取県立鳥取西高等学校
3年生
作品名
夜の砂丘へ
作品に込めた思い
鳥取砂丘、神話『因幡の白兎』、しゃんしゃん傘、星取県と称される美しい夜空に、そこには県特産品の星座も。私が好きな鳥取のものたちを画用紙1枚に詰め込み、幻想的な光景に仕上げました。鳥取にきなんせ!
林 亮太 さんから一言
ウサギの毛並みや星の描き方など、リアリティの追求では王道をいく絵です。引き出しも豊富にあるようだけれど、これからずっと描き続けて、さらにいろいろなものを吸収していって、いい絵を描くようになると予感させます。将来的にも楽しみです。
【 コクヨ賞 】
山元 ゆめ花 さん
あいち造形デザイン専門学校高等課程
2年生
作品名
それゆけシャチムス!
作品に込めた思い
名古屋名物である天むすと愛知・名古屋の象徴といえるシャチホコを組み合わせました。天むすになりきるシャチホコの愛らしい姿に親しみを込め美味しそうなえびふりゃ〜も添えました。是非ご注目ください。
中村 佑介 さんから一言
ここまでうまく描けるのを見ると、こちらも欲が出てきちゃいますね。モチーフの大小だけでダイナミズムをつけようとしているけれど、角度も変えてみたり、シャチをもう少し金属っぽくすればもっと効果的になって、より人の心を掴む作品にできる方だなと思いました。
【 地区優秀賞 】
1.北海道・東北地区
齋藤 ゆら さん
秋田公立美術大学附属高等学院
2年生
作品名
ギュギュっと大館!
作品に込めた思い
秋田県大館市のあめっこ市やきりたんぽ祭などの祭や、比内鶏や秋田犬などの名産品を曲げわっぱ弁当にいいところがたくさん詰められているイメージで大館市がより発展していくことを願い描きました。
2.関東地区
勝俣 祐香 さん
西東京市立明保中学校
2年生
作品名
癒やしの夕焼け
作品に込めた思い
空が大好きです。今の瞬間、瞬く間にも、二度と同じになり得ない変容が魅力的だからです。この作品は私が疲れ切りながら帰ってきた時、目にした癒やしの光景です。生憎、住んでいる地域に名所などは無いけれど、最高の感動が身近にあったと伝えたいです。
3.中部地区
斎藤 小唄 さん
あいち造形デザイン専門学校高等課程
2年生
作品名
豊川の夢狭間
作品に込めた思い
小さい頃に、家族と一緒に行った思い出の豊川稲荷の、ライトアップで華やかに彩られた「ヨルモウデ」を描きました。コロナ禍でもめげることなく、参拝客を魅了し、まるで夢のような空間へ誘う豊川稲荷の情景を、沢山の人に伝えたいです。
4.近畿地区
玉段 弥咲 さん
京都精華学園高等学校
2年生
作品名
風光明媚
作品に込めた思い
私は長岡京市に住んでいます。竹や光明寺の紅葉、年に一度のガラシャ祭りをイメージした着物を入れました。特に竹の子が有名なので、自然と光を感じれるような絵を描きました。
5.中国・四国地区
下薗 理子 さん
広島大学附属中学校
2年生
作品名
神楽
作品に込めた思い
中国地方、そして広島県は実は神楽がとても盛んな地域です。大迫力の1シーンを表現できるように描きました。私自身とても楽しく描けたと感じます。広島県の隠れた魅力をぜひ知っていただきたいです!
6.九州地区
中本 千波耶 さん
宇城市立松橋中学校
3年生
作品名
きじ馬の自由行動
作品に込めた思い
人吉の伝統工芸品であるきじ馬と花手箱がもっと広まるといいなと思い描きました。きじ馬の一体一体の個性や、熊本の特産品にも注目してもらえるとうれしいです。
【入選】・【審査員特別賞】
〈中村佑介賞〉
〈中村佑介賞〉
榎本 莉子 さん
京都精華学園高等学校 2年生
作品名
ギュッと京菓子
作品に込めた思い
京菓子のやわらかく優しいかんじを伝えられるように作品を描きました。 京菓子なのに京菓子であるイメージがないお菓子もあるので、知らない人に「これ京菓子だったのか」とか、「こんなお菓子があるんだなあ」と思ってほしいです。
中村 佑介 さんから一言
おもちの上の白い粉……、あれを描いていている着眼点がすごい。和と洋、今と昔が混在していて、それが最近の京都の魅力を伝えています。作者はおもちが大好きなんでしょうね。これが好きなんだという思いが強く出ています。反面、アクセントとして描いた飴の質感がないことが気になった。若い方のコンテストに見られる傾向ですが、好みによる精度のバラツキがなくなれば、さらによくなると思います。
〈林亮太賞〉
〈林亮太賞〉
東 花帆 さん
橋本市立橋本中央中学校 1年生
作品名
鯨
作品に込めた思い
この「鯨」は和歌山県太地町の鯨です。太地町は鯨が有名な場所で捕鯨や鯨の博物館など、様々な鯨に関するものがあります。これを機に、太地町の鯨や和歌山のことを知ってもらいたいです。
林 亮太 さんから一言
あえてモノクロームの点描画にしたのだと思いますが、去年まで小学生だった人の絵とは到底思えない。驚きました。傾向と対策などは考えずに、描きたいものを描いたのでしょう。鯨をこういうデザイン性で表現したのにも驚かされました。
〈夢眠ねむ賞〉
〈夢眠ねむ賞〉
慶田 陽彦 さん
小豆島町立小豆島中学校 2年生
作品名
源平合戦
作品に込めた思い
僕の住んでいる香川県で昔起こった源平合戦に出てくる那須与一を描きました。この絵を見た人が「欲しい!!」と思えるような作品にしたくて、人の形や表情を少しユーモアのあるようにしました。
夢眠 ねむ さんから一言
作者は「この絵を見た人が『欲しい!!』と思えるような作品にしたい」と書いていたけれど、その狙い通り、欲しいと思いました。背景の色も時代がかっています。デフォルメも効いていて、作家として面白いし、見て嬉しくなる絵です。さまざまな武将を描いた絵巻画集をぜひ出してほしい。
【 入選 】
1.北海道・東北地区
長屋 伶奏 さん
福島県本宮市立本宮第一中学校 2年生
作品名
味わえ!福島の桃
作品に込めた思い
福島の魅力のひとつである桃にフォーカスして描きました。桃のみずみずしさが画面から伝わってくるように、できるだけ色味や影の落ち方を本物に寄せました。
久保 歩未 さん
北広島市立西の里中学校 3年生
作品名
キタキツネのように High jump!
作品に込めた思い
キツネは、冬になると、えものを捕まえるときに雪に飛び込みます。そんな北国ならではの景色を、雪の結晶と北海道のシンボルであるハマナスとともに描きました。また、キツネの飛んでいる姿は、何かを乗り越えているようにも見えたので、ノートを使う人に苦手であろう勉強を乗り越えて欲しいという思いもこめました。
安斎 くるみ さん
福島県本宮市立本宮第一中学校
2年生
作品名
お祭り
作品に込めた思い
この作品は、地元・本宮の伝統であるお祭りのシンボルとも言える提灯を描きました。夜の町に灯された提灯の美しさと、凛とした鮮やかな色を表現しました。「東」という字をリアルに再現できたと思います。
髙橋 妃桜 さん
秋田県立秋田高等学校 1年生
作品名
吐気揚眉
作品に込めた思い
三年ぶりに開催した竿燈祭りへの喜びと来年も無事に行われてほしい、という願いをこめてかきました。秋田の象徴ともいえる竿燈祭り。いつまでも続いてほしいです。
佐々木 杏華 さん
秋田公立美術大学附属高等学院 2年生
作品名
秋田名物 絵の具
作品に込めた思い
もし、秋田名物をモチーフとした絵の具があったら、絵を描くことがもっと楽しくなるだろうと思ったので、こんな絵の具だったらいいなという想像をしながら描きました。どの色にどの特産品を組み合わせるかを考えるのが楽しかったです。
2.関東地区
折笠 亜美 さん
茅ヶ崎市立赤羽根中学校 3年生
作品名
おいでよ!神奈川
作品に込めた思い
江ノ電の細部をよく描いたり、波のしぶき一つひとつ丁寧に描きこんだりして躍動感を表しました。細かく描いたので細部までみてください。
竹野 碧 さん
三鷹市立第四中学校 2年生
作品名
東京団子詰め合わセット
作品に込めた思い
12個の団子に、東京名物を詰め込みました。パンダ、ペンギン、ハチ公、雷門、江戸切子、力士、東京スカイツリー、東京駅、イチョウ、もんじゃ焼き、人形焼き、そして深川飯の団子セットです。お花見風景として、東京の花ソメイヨシノを散らせました。
家高 夏希 さん
横浜雙葉高等学校 3年生
作品名
らくがき
作品に込めた思い
授業中にノートの隅にらくがきするのは楽しい。実際はこんなにたくさん描けない。でも描けたらいいなという気持ちで、私が知っている横浜の魅力をノートの1ページにらくがき風に収めてみた。
松倉 美月 さん
群馬県立前橋東高等学校 1年生
作品名
高崎だるま市
作品に込めた思い
群馬の、歴史ある伝統工芸品であるだるまを、これからも次の世代に伝え続け、さらに栄えさせてほしいという思い。また、だるまの持つ邪気を払う力から、疫病退散の思い。
古川 美優 さん
私立岩倉高校 1年生
作品名
おおとりさまに誘われて
作品に込めた思い
酉の市でしか目にすることの出来ない鷲(おおとり)神社の名物や縁起物、かっこめを描きました。冬の闇夜を淡く照らす熊手や提灯も幻想的で美しいです。その不思議な世界を楽しんでいるのは人間だけではないはず…。
3.中部地区
山岸 咲良 さん
小松市立丸内中学校 2年生
作品名
九谷の玉乗り獅子さん
作品に込めた思い
九谷焼、金沢すいか、ステンドグラスがきれいな尾山神社、私のお気に入りをつめてみました。このすてきが伝わるといいな。
成本 なつみ さん
愛知県一宮市立木曽川中学校
1年生
作品名
一宮市の優雅な朝
作品に込めた思い
一宮市発祥と言われているモーニング。愛知県では定番の小倉トーストを楽しみながら、窓から日本三大七夕まつりを眺めて、優雅な朝のひとときを過ごしたいと思いました。
石井 愛唯 さん
私立エクセラン高等学校
2年生
作品名
てまりんご
作品に込めた思い
長野県はりんごの生産地が多く、松本市では伝統的な松本てまりかマンホールや食器のデザインになっています。この2つの魅力を1つに組み合わせました。りんごの皮で流を意識しました。
4.近畿地区
亀井 優衣 さん
京都市立北野中学校 2年生
作品名
京の涼夏
作品に込めた思い
猛暑続きの夏の日にお寺の庭先で緑風を感じながらお茶をいただくと、心と身体が涼み満たされるという、京の和ならではの夏の楽しみ方を一枚の絵で表現しました。
山田 朔也 さん
泉佐野市立長南中学校 2年生
作品名
夜空の新世界
作品に込めた思い
作品に込めた思いは、今のようにコロナウイルスで大変な時だけど、まけないくらい新世界がもっとにぎわってほしいという思いを込めました。そしてコロナウイルスがいつかなくなって自由の生活がしたいという気持ちを込めました。
出井 凛 さん
京都市立銅駝美術工芸高等学校 3年生
作品名
夕暮れの京
作品に込めた思い
“京都”というと古都のイメージで、歴史的な寺など古風な雰囲気を思い浮かべると思うが、京都にはそれだけではなく、先進的な新しい姿もあるということが伝わるように描き、また、夕暮れ時の空の美しさも風景と相まって一層きれいなので、夕方の京都駅を描いた。
5.中国・四国地区
中野 小茉莉 さん
福山市立神辺中学校
2年生
作品名
鯉
作品に込めた思い
広島県に鯉のイメージがあるのはカープの球団名が鯉を表していたり、広島城が鯉城と呼ばれてたり、他にも出世魚である鯉に復興などの想いが詰まってるからです。なので広島にぴったりだと思って描きました。
岩田 柚希 さん
広島女学院中学高等学校 1年生
作品名
朱色の世界
作品に込めた思い
私の地元、広島では朱の印象の強い物が多いなと感じ、朱を目立たせるようにしています。広島の美しさを紅葉と厳島神社大鳥居に、力強さを鯉に込めています。私の作品を見てぜひ広島の素敵な所を発見していってほしいです!
中島 悠 さん
広島女学院中学高等学校 1年生
作品名
魅力たくさん! 広島のまち
作品に込めた思い
背景は広島から見える瀬戸内海を意識しました。また、広島で有名なものを多く描いて広島の魅力をつめこみました。もみじまんじゅうはかじって中身が見えているものも描いた所がポイントです。もみじのグラデーション等も意識しました。
6.九州地区
岡本 紗季 さん
大分市立大在中学校 2年生
作品名
I LOVE OITA!
作品に込めた思い
作品名にちなんで絵の中にハートのトマトを混ぜました。また大分の特産物と伝統工芸品を組み合わせて大分の魅力が伝わるように工夫しました。
宗 更紗 さん
学校法人佐賀学園成穎中学校
2年生
作品名
面浮立
作品に込めた思い
佐賀県の南西部に伝わる「面浮立」は、鬼面を被り、笛や太鼓に合わせて勇壮に踊る伝統芸能です。初めて知った幼稚園の時から、その圧倒的な迫力に夢中です。今回、面浮立のかっこよさを伝えられるよう工夫しました。
山本 さくら さん
宮崎県立佐土原高等学校 1年生
作品名
おいしいもの いっぱい ワッハッハ!
作品に込めた思い
宮崎の特産品である日向夏、へべす、マンゴー、はまぐり、きんかんを楽しそうに食べているひょっとこや日向市の市の花であるひまわりを描きました。ひょっとこは運動会のダンスなどで踊ったり、毎年8月には駅前で祭りがあったりと私の中で楽しい思い出の1つなので、この絵を見て「賑やかで楽しくてハッピー」を味わってほしいです。
三好 瑠奈 さん
宮崎県立佐土原高等学校 1年生
作品名
いざ行かん、屋根より高く!
作品に込めた思い
私が住んでいる佐士原町では、5月5日に「こい」じゃなくて、「くじら」のぼりというのが揚げられます。くじらのぼりの由来となった島津家の家紋を掲げ、大空を迫力満点に泳がせてみました。佐士原町にしかない魅力をこの絵から感じてほしいという思いで描きました。
谷山 美心 さん
宮崎県立宮崎工業高等学校
1年生
作品名
宮崎の太陽
作品に込めた思い
宮崎といえば南国、マンゴーという印象が強いのでマンゴーが水に落ちて泡につつまれるという夏っぽさを感じられるような絵にしました。マンゴーは有名ですが食べたことがある人は少ないと思うのでそういう人にも食べてほしいなと思い描きました。
審査員総評
中村 佑介 さん(なかむら・ゆうすけ)
大阪芸術大学卒業。ASIAN KUNG-FU GENERATIONなどのCDジャケット、小説「夜は短し歩けよ乙女」や音楽の教科書の表紙カバーなどを数多く手がける。最新刊はCDジャケット全集「PLAY」(飛鳥新社)。兵庫県出身。
〈中村 佑介 さんの総評〉
デジタル時代の現代においてそれでも紙を使って絵の具を選ぶ時点で、とりわけ色が好きなのですよね。だからみんな色の選び方が上手でした。また同じモチーフであっても、それを見てどう感じたか、その伝えたい思いがみんな違っていて素晴らしかったです。将来的には、アナログのみならず、スマホやPCの絵なども見てみたくなりました。相互に刺激し合って、さらに面白いコンテストになっていくと思います。絵を完成させて提出するというのは大変なことで、僕も久しぶりに絵の具の作品を描いたら、3日ほど肩が痛くて寝込んでしまった。それだけ集中するし、エネルギーを使う。だからみんな、すごくがんばっています。絵はみんなやめちゃうのにここまで描き続けた時点ですでにえらい、と伝えたい。だからもっと自信をもって、みなさんのもっと個人的なモチーフや景色、それをどう好きなのか、どう自慢したいのかをこれからも楽しみにしています。
林 亮太さん(はやし・りょうた)
画家、東北芸術工科大非常勤講師。2009年から色鉛筆による絵画の制作を始める。「超リアル」な色鉛筆画が人気。
〈林 亮太 さんの総評〉
36点の実物を見て思いましたが、みなさん上手だというのが第一印象です。通常は中学生らしい奔放な描き方が見られるものだけど、今回は、中学生か高校生か、レベル差がなくて判別つかなかった。デジタルに近い世代が、あえてアナログで描いているというのは、それだけですでに選ばれし人たちだといえるのかもしれません。僕はデジタルで描き始めたのは30歳を過ぎてからで、今の色鉛筆で描くスタイルを確立したのは50歳を過ぎてからです。できなくてへこみながら、批判されながら、続けてきました。だからこそ、好きで描いているならば、何があっても絵を嫌いにならないでほしいと言いたい。絵を描くというのは贅沢な時間を使うことだし、きっと自分にとって豊かな時間になるはずです。
夢眠 ねむさん(ゆめみ・ねむ)
芸能界引退後、「夢眠書店」を経営し、「たぬきゅんフレンズ」をはじめとしたキャラクタープロデュースを手がけている。多摩美術大学卒業。三重県伊賀市出身で、みえの国観光大使。
〈夢眠 ねむ さんの総評〉
私の地元でもお祭りが3年ぶりに解禁されましたが、その影響で、今回は名所らしい名所を描く絵が多かったように思います。また、中高生の境目がなくなってきています。だからこそ、個性的な絵に目がいきました。個人的にこの人の絵をもっと見たい、画風が気になる、という視点で選ばせてもらいました。とにかく描きたいものを描いてほしい。私も先生のいうことをかなり無視していました。もちろん、画面の処理はきれいにしたほうがいいとか、耳を傾けるべきアドバイスもあるでしょう。でもまずは、自分のいいたいことに集中して、ギュッと絞って、来年もチャレンジしてもらえたらうれしい。見せたいものを見せてください。
作品に込めた思い
おばあちゃんの家の近くにある地獄谷野猿公苑の猿が思い出に残っているので、それを題材にしました。気持ち良さそうに温泉に浸かる猿を丁寧に描いたので、至福の表情を感じて下さい。