2022.11.30
目標に向けて頑張る人を「相棒文具」で応援したい~勉強ツールクチコミアプリmeeket!開発の裏側~
ユーザー投稿型の文具クチコミアプリ meeket!(ミーケット)をご存じですか?メーカー発信ではなくユーザーの率直な投稿を集めることで、あなたにぴったりの文具との出会いをサポートするアプリです。コクヨが開発したアプリですが、投稿される文具はもちろんコクヨの商品に限りません。今回は、このアプリの立ち上げたチームメンバーに、アプリにかける思いを聞いてみました。
コクヨ株式会社 経営企画本部 武市陽子(通称:たけ)
2018年入社。入社後はステーショナリー事業本部で主にプロモーションを担当。公式Instagramアカウント「コクヨのぶんぐ」の「中の人」も担当した。2021年からは新規事業立ち上げのプロジェクトに参画し、勉強ツールクチコミアプリmeeket!の立ち上げメンバーとして現在に至る。
meeket!(ミーケット)とは?
編集部(以下、編):勉強ツールクチコミアプリmeeket!、ダウンロードしてみました。自社商品だけではないいろいろな文具が載っていて、「へぇ~、そんな文具があるんだ」とか、「なるほど、そういう時に便利なんだ」とか、一文具好きの目線でうなずきながら見てしまいました。
武市(以下、たけ):ありがとうございます。メーカーの押し売りではなく、ユーザーさんのクチコミでこれまで知らなかった文具に出会えるところは、まさにmeeket!の推しポイントです。
(編集注)meeket!は2023年12月を以てサービスを終了しています。
編:単に文具の情報が投稿されるだけではなくて、丸付け用ペンの書き比べとか、カラー早見表とか、ノートの取り方まで、いろんな情報がありますね。この「カラー早見表」なんてスゴイ!確かにペンのインクの色ってメーカーによって同じ「赤」「ピンク」でも少しずつ違っているから、こんな風に一覧的に出してくれたら、確かにお気に入りが見つかりそう!
たけ:投稿のテーマは完全にユーザーさんにゆだねているので、私もユーザーさんに初めて教えられることが結構多いです。いろんな発見があります。参考になる投稿はコメントが盛り上がります。meeket!の投稿を見たことがきっかけで買った商品は「meeket!買い」と呼ばれ、ユーザーさん同士の交流が生まれています。
クチコミで盛り上がった商品が「ミーケット買い」されて、新たな投稿へ
商品をつくり、売る以外にできることとは?
編:どうしてこのアプリをつくろうと思ったのですか?
たけ:きっかけは、特に文具が身近な中高生の学びシーンにおいて、ただ商品をお届けするだけではなく、もっとできることがないか探すべきではないか?という社内での問いかけでした。
私はそれまでコクヨステーショナリーの公式Instagramアカウント「コクヨのぶんぐ」の「中の人」をしていて、勉強になかなか身が入らなかったり、成績が伸び悩んだり、日々悩みもがいている学生さんの話を聞くことがありました。
これまで通りに文具を作って売る以外に、もっとパワーアップした形で学生さんのお役に立てることがあるのではないか?というのは私自身もずっと考えていました。
編:文具を作って売る以外の「何か」...。「文具の意味」というか「文具を選ぶ意義」というか、それが何なのかを探すってことになりますね。なかなか難しそう・・・。
たけ:そうなんです。パソコンの前で考えていてもなかなか答えは出てこないので、まずは学生さんがリアルに困っていることは何かを、Instagramフォロワーさんにアンケートをとったりヒアリングをしたりするところから始めました。
勉強に関して悩みがないという学生さんのほうが少ないですが、よくよく聞いてみると「勉強しなきゃとは思いつつ始められない」、「勉強机にはむかえるけど集中力が続かない」、「集中して勉強できるようになったけど結果がまだついてこない(自分の勉強法が合っているか不安)」など、勉強に取り組む姿勢の段階に応じて、それぞれの悩みがあることが分かりました。
事業企画段階では、instagramストーリーズアンケートで寄せられた聞いた中高生の生の声をもとに潜在ニーズを検討。
また、自社で行ったアンケート調査によると、そもそも「きちんと勉強ができていて、結果も伴っている」と感じている中高生は10%強しかいませんでした。そしてその10%の学生のほとんどが勉強の定番となるお気に入り文具が固まっていたんです。「相棒」となる文具が学校生活や受験などを支えてくれたというエピソードをいくつも聞いたことから、自分に合った勉強ツールとしての文具に早く出会ってもらうことで、学生を始めとした目標に向かって頑張る人々を支えたいと思いました。
相棒文具で頑張る人の背中を押す
編:なるほど。苦楽を共にしてきた「相棒文具」があることで、勉強に向かう気持ちを高めたり、テストや受験に向かう不安を少し和らげたりできるんじゃないかってこと?
たけ:そうです。目標を達成するために、辛い思いをして勉強を頑張っている方は多いと思います。自分で考えて、自分の意志で頑張っているはずなのに、疲れてしまったり、嫌なことがあったり、なんか気分が乗らなかったりして頑張れない日もあると思う。そんなときに、文具がきっかけで、背中を押されることってあると思うんです。
いい文具を使えばテストの点数が上がる、という短絡的な話ではないと思いますけど、でも、ちょっとやる気の起きないときに机に向かうきっかけになったり、ここぞという試験のときに勇気をくれたり、文具にはやっぱり可能性があると思うんです。
そして、文具にこだわることは、勉強効率を上げることにもつながります。長時間勉強するならちょっとでも手が疲れにくい筆記具のほうがいいですよね。試験前に見返しやすいノートづくりをしたいなら科目ごとにノートの種類も見直したほうがいい。
文具なんて書ければ何でもいい、と思っている人にこそ、文具を通じて少しでも勉強に対して前向きになる経験をしてもらえたら嬉しいですね。自分だけの相棒文具を見つけてもらえればと思います。
編:そこから、相棒文具の見つけ方を突き詰めていったら、今のmeeket!になっていったということですね。
たけ:「相棒文具」に出会う一番効率的な方法は同じような状況にあるユーザーさん同士でお互いのおすすめや、知っていることをシェアするところから始まるんじゃないかな、と思って。
meeket!ではユーザー同士が困りごとを相談し合える「教えて」機能も。
コミュニケーションを大事に
編:アプリリリース後もこだわっていることがあるとか?
たけ:ユーザーさんの声を聞き続けていることです。すべてのクチコミは、メンバー全員、すべて目を通しています。まだまだユーザー数も少なく規模としてはこじんまりとしているので、これからは古参のユーザーさんももちろん大事にしつつ、最近meeket!をダウンロードしてくれた方とも、文具を通じてもっとコミュニケーションをとっていけたらと思っています。
レイアウトや動線、操作性など、よりよいUIにするために改善していきたい点は多くあります。引き続きユーザーさんのリアルなお声を聞きながら、使いやすいアプリにしていきたいです。
編:アプリの開発・改善だけではなく、商品開発もしているんですよね。
たけ:毎月定期的にヒアリングに協力してくれている中高生集団がいるのですが、彼らとともに商品開発もしています。「本に寄り添う文鎮」という商品は、開いた本に寄り添う形状の真鍮製の文鎮で、学生さんがよく使っているブッククリップからヒントを得た商品です。クリップよりもワンタッチで参考書などを押さえられるという点で評価いただき、ありがたいことに現在品切れです(ごめんなさい!)。
学生さんがよく使っているブッククリップにアイデアを得て生まれた「本に寄り添う文鎮」
編:たけちゃん以外のmeeket!チームのメンバーを教えてください
たけ:メンバーは、戦略やマネジメントのてっちゃん、商品開発のずーしみ、顧客接点のたけの3人です。3人とも、もともと文具の部門にいました。最近はコクヨの社内複業制度で、文具の営業の部署からもりぴょん、働き方のセミナーを行う部署からうっちーが参加してくれています。上司はかめちゃんという可愛くてすてきな女性です。
みんなmeeket!のクチコミを読んでいて、日々投稿を見ながらmeeket!をどうしたらもっとよくできるか、もっとユーザーさんに満足してもらえるか、考えています。
インスタライブで登場したときなどは皆さんよろしくお願いします。
左から、かめちゃん、てっちゃん、ずーしみ
目標に向かうすべての人へ
編:では最後に一言!あらためて、meeket! をどんな人にすすめたいですか?
たけ:もともとは学生さんの悩みから発想したアプリなのですが、今は、年代問わず、学び続けるすべての人々に寄り添いたいという想いを持っています。目標に向かって頑張りたいけどやる気が出ない方、ぜひmeeket!で相棒を見つけてください。
編:私も、最近もっと勉強しないとなと思いながらも、どうしても仕事を言い訳にして後回しにしがちです。まずは身の回りに勉強用の道具をちゃんとそろえるためにも、meeket!、使ってみます。
たけ:一般的に思われているよりも文具は奥が深くて、面白いっていつも感じています。meeket!アプリならいつでもどこでも見られるので、ぜひ覗いてもらえたらなと思います。
meeket!は2023年12月を以てサービスを終了しました。