キャンパスアートアワード2021の
グランプリ作品「味わい尽くせ!福の山」が
キャンパスノートになりました。
コクヨ公式オンラインショップにて
2月28日(月)11:00から、数量限定販売いたします。
⇒ 予定販売数量は完売し、販売は終了いたしました。
メーカー希望小売価格:192円(税込)
製品仕様 サイズ:6号(セミB5) 罫内容:A罫(普通横罫ドット入り・7mm) 枚数:30枚
受賞作品
【 グランプリ 】
飯田 千紘 さん
広島大学附属福山高等学校 3年生
作品名
味わい尽くせ!福の山
林 亮太 さんから一言
とにかくテクニックがすごい。絵に10代ならではの勢いがあり、全てを描ききったという感じが伝わってきました。その反面、どれだけ仕込んでやろうかという、したたかさが伝わってくるのも面白いです。全体の彩りだけではなく、一つ一つのものがバランスよく配置されているのもうまいです。個人的にはウィンナーの頭の部分がすごく好きで、思わずつまみたくなりました。
受賞者インタビュー
ー グランプリ受賞おめでとうございます。
読売中高生新聞をずっと読んでいて、過去からキャンパスアートアワードの作品は全部みてきました。憧れの気持ちがあり、描きたいとずっと思っていました。今回高校3年ラストチャンスにやっと応募できて、グランプリに選ばれて、嬉しい気持ちでいっぱいです。 自分の作品がのることが信じられない、実感がまだないです。
ー 題材はどのように決めたのですか?
自分自身は楽しく描くことができ、この絵を見た人には“見て終わり”ではなく、そこから調べたり会話が広がったりする絵を描きたいと思っていました。私は食べ物を描くのが好きなのですが、福山の魅力は食べ物だけではありません。そこで、学生にとってなじみのあるお弁当に、福山の魅力を詰めようと考えました。
描いた12個の題材は、小学校からの校外学習で学んだ知識を活かしたり、インターネットで調べたりして決めました。それ以外のおかずは、自分の好きなものや全体の色のバランス、おいしそうに見えるかを確認しながら決めました。
ー 絵でのこだわりや苦労した点を教えてください。
全体的に描くのではなく、一つ一つ順番に描き込んでいたので、完成形がどうなるのか、不安になりながら描いていました。また、重なりを意識して、下になるものから描いていったので、描く順番を考えるのも大変でした。
絵の具を使うのも慣れていなかったので色々と試行錯誤しながら塗っていました。
あとは、おいしそうに見えるように、光の入れ方やこげ目にこだわりました。
ー ご自身の絵がキャンパスノートになることについてどのように感じますか。
勉強で使ってきたノートなので、「自分の絵が載っていいのか?」という不安もあります。
でも、実際のノートを見たら誇らしい気持ちになるだろうなぁと想像できて楽しみです。
このノートを見て福山を知ってもらえる機会になればうれしいです!
ー この絵に入れた福山の名産「12個」を教えてもらえますか?
福山は井草が有名なので、お弁当箱は畳にしました。お弁当の仕切りは畳の縁をイメージして色を塗っています。敷物は染め方が有名な備後絣で、お箸は一本だけ鉄鋼をイメージして描きました。お弁当の中身ですが、春巻きの近くに琴、ごはんの上には小魚や梅干しに模したバラを描きました。校外学習で行った対潮楼で見た「日東第一形勝」という言葉を2つに分けてピックにしています。鼻緒を描くことで、鮭全体を使って下駄をイメージしました。ゆで卵の上にはゴマに紛れて、市章の蝙蝠を描いています。醤油のように保命酒を入れたり、トマトのようにくわいを入れたり、卵焼きのようにデニムを描いたりしています。
【 読売中高生新聞賞 】
村崎 ラマラ さん
あいち造形デザイン専門学校高等課程
2年生
作品名
思い出が蘇る景観
作品に込めた思い
知多半島はどんな所なんだろう、そう思うたんびに小さい時おばちゃん達と知多に出かけた時の頃を毎度思いださせてくれます。暖かいひまわりや美味しかった海老、有名な野間灯台など、特に海がすごく綺麗で、自分にとって知多の魅力はこれだ!と、家族との思い出も作品に気合いを込めて描きました。
中村 佑介 さんから一言
モチーフを詰め込んだ作品の中でも、構成力の高さ、色のまとまりの良さを感じました。太陽と灯台を中央から少しずらすなど、退屈にならずダイナミックに見えます。背景の建物も丁寧に仕上げているのもいいですね。知多半島に出かける楽しい気持ちが伝わってきました。
【 コクヨ賞 】
瀧 瑞歩 さん
京都精華学園高校
2年生
作品名
灯り
作品に込めた思い
幼い頃から散歩しに行ったり、友達と遊びに行ったりと、身近な遊び場である嵐山の駅のキモノフォレストライトアップの様子を描きました。コロナの影響で、不用の外出を控えざるをえないこのご時世で、少しでも多くの人に、この絵を見て観光気分を味わって欲しいです。
夢眠 ねむ さんから一言
「よくここまで細かく描いたな!」と感動しました。全体的に緻密に描きながら、ライトアップされた柱が光の群れとして際立っているのもすばらしい。観光地・京都の高校生として「コロナ禍でも出かけた気持ちになってほしい」と描いてくれて、そのホスピタリティーもうれしいですね。
【 地区優秀賞 】
1.北海道・東北地区
齋藤 凜 さん
秋田公立美術大学附属高等学院
2年生
作品名
隠す
作品に込めた思い
毎年8月に行われる西馬音内盆踊りの踊り手を描きました。顔を隠すようにして編笠を被り、夏の夜にゆらゆらと踊る姿の美しさを表現しました。異世界のようにも思える不思議な雰囲気を感じてもらえると嬉しいです。
2.関東地区
坂間 千恵 さん
北海道芸術高等学校
東京池袋サテライトキャンパス
2年生
作品名
秩父神社
作品に込めた思い
秩父神社の社に施されている、思わず目を奪われてしまう鮮やかで迫力のある木彫りの装飾を描きました。大好きな動物や幻獣が沢山いるので描いていてとても楽しかったです。
3.中部地区
出口 雄大 さん
あいち造形デザイン専門学校高等課程
3年生
作品名
海の仲間たち
作品に込めた思い
大人から子供まで、他の地方から来た人たちにも、心にワクワク感を与えて、名古屋港水族館の魅力を伝える役割になってくれたらいいなとの思いです。
4.近畿地区
奥田 眞理絵 さん
京都精華学園高校
2年生
作品名
京(みやこ)
作品に込めた思い
京都を代表するものを詰めました。着物など、和の文化が大好きで大切にしていきたいと思っています。この作品には和への愛を込めて描きました。
5.中国・四国地区
川口 莉采 さん
三豊市立三野津中学校
3年生
作品名
赤い橋
作品に込めた思い
栗林公園の橋をイメージして赤色の橋にしました。その橋はきれいで、鮮やかな赤色で、みなさんにも、知ってもらいたいという思いでこの作品をつくりました。
6.九州地区
中島 杏菜 さん
佐賀県立唐津東高等学校
2年生
作品名
踊る法被
作品に込めた思い
私の地元は唐津くんちで有名ですが、曳山だけではなく、それを曳く曳き子さんの熱気も伝えたいと思って描きました。その場の臨場感を絵に表すためにアングルにもこだわりました。
【入選】・【審査員特別賞】
〈中村祐介賞〉
〈中村祐介賞〉
菅野 美優 さん
伊達市立霊山中学校 2年生
作品名
福島の桃
作品に込めた思い
福島は緑がいっぱいで桃が有名なので、背景を緑にして桃を描きました。私は桃の皮を剥くのを見るのが好きなので、皮を剥いた桃を描きました。もっと全国の人に福島の桃を食べてほしい、という思いをこの作品に込めました。
中村 佑介 さんから一言
個人的 には「これしかない」と感じた、すばらしい作品です。今回、特産品を描いた作品は他にもありましたが、とりわけフレッシュでおいしそうだった。僕はこの絵を見て、桃を食べたくなり、実際に買いに行きました。それぞれの地元には色々な魅力があり、モチーフをたくさん詰め込みたいと考えがちですが、この絵は「福島の桃」の一点突破。背景の緑など、色の使い方もとても上手。「桃が好き!」の気持ちがダイレクトに伝わってきました。その気持ちに動かされ、僕はこの絵に応えたいと思いました。原画を売ってほしいくらい。
〈林亮太賞〉
〈林亮太賞〉
湯淺 菜々美 さん
宮崎県立宮崎工業高等学校 1年生
作品名
日向夏とへべす
作品に込めた思い
宮崎の特産品である日向夏とへべすをメインに、少しずつ色を変えて描きました。日向夏は明るい鮮やかな薄黄色なので色を寄せて塗りました。
林 亮太 さんから一言
リアルタッチで描かれた作品群の中に、ひときわカラーで目を惹いた平面構成の作品が「日向夏とへべす」でした。鮮やかな明るいイエローから少し彩度を落としたグリーンまで、実に美しく色彩が踊っています。見ているだけで楽しくそして果実の味が伝わってくる、そんな作品ですね。日向夏の大きさや配置にもう少し変化とリズムがあればさらに良い作品になったかもしれませんが、このまま商品のパッケージや店頭販促用のポスターにしても十分主張してくれそうな、そんな元気な絵だと思います。このポップな感覚を大事にしてこれからも沢山作品を描いてください。
〈夢眠ねむ賞〉
〈夢眠ねむ賞〉
阿部 瑞希 さん
私立立命館守山高等学校 3年生
作品名
毎日がハレ!
作品に込めた思い
私の愛する滋賀の伝統食「ふなずし」。昔からハレの日には欠かせない…だが、最近県内でも若い人は食べないらしい…なぜだ!!日本中、いや、世界中の人に食べてもらいたい!我がソウルフード、ふなずし!
夢眠 ねむ さんから一言
ふなずしを選ぶセンスに、まず惹かれました。最初に見た時は、中高生としては「渋いな!」と感じたのですが、作者の日常にしっかり根付いているものを、ちゃんと外に向けて発信したいという気持ちが感じられました。派手さはなくても、ずっと地元で続く大切なものが描く対象になったのかなと思いました。子持ちフナの鮮やかなオレンジが大輪の花のようで、ハレの日のめでたさが伝わる構図です。もろもろしたお米の部分もよく描けていて、とってもおいしそう。よだれが出ました!
【 入選 】
1.北海道・東北地区
本多 快成 さん
福島県本宮市立本宮第一中学校 1年生
作品名
塩ノ崎の大桜
作品に込めた思い
迫力のある大桜を見て、一本で力強く立っていて、たくさんの花をさかせている様子を描こうと思いました。菜の花とのコラボレーションも描きたかったです。
佐々木 悠 さん
大仙市立大曲中学校 3年生
作品名
身近な誇り
作品に込めた思い
秋田のどこを絵描こうか沢山悩みました。このコンクールを描くにあたって、秋田を見て周り、本当に自慢したいものが沢山ありました。考えに考え、私は私のおばあちゃんがやっている田んぼを見て、秋田中にある私の身近な誇りにてついて描こうと思いました。この絵のモデルは、実際のおばあちゃんの農業の風景です。
石井 美咲 さん
秋田公立美術大学附属高等学院
2年生
作品名
猿賀神社の名物
作品に込めた思い
これは、私の地元である青森県にある、猿賀神社です。7月頃になると「蓮の花まつり」が始まり、池の鯉たちも餌をもらえるのを楽しみに待っています。青森の県鳥である白鳥のボートもあります。小さい頃から変わらない景色は、私のお気に入りです。
大関 健斗 さん
秋田県立秋田高等学校 1年生
作品名
なまはげと名物
作品に込めた思い
なまはげの力強さときりたんぽのあたたかさでほっこりした雰囲気を出すようにしました。なまはげの面は漆がぬられているので、やわらかなつやを出しました。
2.関東地区
髙山 叶乃子 さん
東京女学館中学校 2年生
作品名
夕暮れのレインボーブリッジ
作品に込めた思い
夏休み中にお父さんとお散歩に行った時に、見たレインボーブリッジがとてもきれいで、絵にかいて多くの人にこのきれいさを知ってもらいたいと思い、かいてみました。
根岸 朱 さん
日本女子大学附属中学校 3年生
作品名
あんこたっぷり!東京観光焼き
作品に込めた思い
東京には沢山観光名所があります。その代表的なものを浅草名物、人形焼きの形で表しました。バックは空と伝統工芸品、江戸切子を融合させました。都の木であるイチョウや銀杏が舞っているのもポイントです。
斗沢 胡子 さん
私立東星学園中学校高等学校 3年生
作品名
所沢熊手
作品に込めた思い
私が産まれ育った町、所沢の美味しい所や名所など良いところの全てを盛り込んだ絵です。見ている人に所沢楽しそうだから行ってみたいと思ってもらえる様なわくわくする絵にしました。
長田 彩 さん
千葉県立茂原高等学校 2年生
作品名
詰まっているもの
作品に込めた思い
千葉にはみずみずしい梨やびわ、ネギ、、七夕祭り、菜の花の中を駆けるいすみ鉄道など沢山のものがあります。美味しく、楽しく、わくわくする思いを千葉の代表のピーナッツに詰め込んだら素敵だと思い描きました。
佐藤 明日香 さん
茨城県立竹園高等学校 3年生
作品名
福来来!紫峰望む故郷
作品に込めた思い
描かれているのは夕日に照らされる姿から紫峰と称される筑波山とその周辺で栽培されている福来みかんです。どちらも私にとって愛着のあるものなので、私がそれらから感じている暖かさを感じて頂けると嬉しいです。
3.中部地区
塚本 結花 さん
野々市市立布水中学校 3年生
作品名
石川のきれいをこめて
作品に込めた思い
石川の伝統的で美しい加賀友禅、石川の人がお正月に昔から食べている福梅、名産物の金箔などの石川のきれいでかわいいものがこの絵で伝わったらいいと思います。
正村 美颯 さん
広徳中学校 3年生
作品名
静かな善光寺
作品に込めた思い
善光寺は何度もお参りしている思い出のお寺です。今は参拝者が少なく、いつもと違う雰囲気で、そんな善光寺を描きました。賑やかな善光寺ももちろん綺麗なので、コロナが落ち着いたらぜひ訪れてみてほしいです。
石崎 遥幸 さん
富山市立上滝中学校 3年生
作品名
輝く地鉄
作品に込めた思い
コロナ禍で、外出を減らさなければならない中、電車を使って出かける機会も減りました。そんな中、1日でもはやく、もとの生活にもどり、気軽に電車に乗ることができるような日が来てほしいという願いを、雨あがりの風景を使って、表現しました。
森嶋 華菜 さん
あいち造形デザイン専門学校高等課程
3年生
作品名
名古屋の甘い香り
作品に込めた思い
名古屋には魅力的な名物が沢山ありますが、その中でも得に好きなのが小倉トーストで、この美味しさをもっと他の地方の方に知って欲しいと思い描きました。
4.近畿地区
森 星哉 さん
京都市立北野中学校 2年生
作品名
今年も夏がやってきた。
作品に込めた思い
僕は祇園祭の鉾を見ると「夏がやってきた!!」と、うれしくなります。新型コロナウイルスの影響でここ2年間は屋台が出てないので、早くコロナが収束して、みんなが楽しめる夏がきてほしいという思いを込めて描きました。
宜野座 弥生 さん
大阪府枚方市立津田中学校 2年生
作品名
夜明け前の天の川
作品に込めた思い
友達とよく行く場所を絵に描き込みました。空は「天の川」という名前の川があったから天の川にしました。
田中 創梧 さん
京都市立四条中学校 3年生
作品名
京の美しさ
作品に込めた思い
京都市を代表する花のサトザクラと椿で絵に華やかさを持たせ、観光地として有名な金閣寺を日本画風に描きました。全体として和風の色使いを意識し絵、全体の統一感に一番こだわっています。
5.中国・四国地区
藤田 葵衣 さん
三豊市立三野津中学校
3年生
作品名
水流華
作品に込めた思い
私の故郷三豊市詫間町の紫雲出山の桜などの花のイメージとそこからながめる瀬戸内海の美しさを切り絵で残したいと思い制作しました。
藤川 結衣 さん
香川大学教育学部附属坂出中学校 1年生
作品名
powerスポット&soulフード in 讃岐
作品に込めた思い
讃岐の特産物や有名スポットなどを、切り絵にして、表現しました。全体の色のバランスを考えながら、パステルカラーで色をつけました。こんぴらさんの細かな切り抜きが、とても大変でした。立体感を出す工夫ができたと思います。
柴田 大椰 さん
私立 愛光高等学校 2年生
作品名
黄昏時
作品に込めた思い
千と千尋の神隠しや夏目漱石の「坊ちゃん」の舞台として知られる道後温泉。鮮やかな愛媛の夕暮れのもとで、道後温泉の煌めく光と歴史を背負った重厚感、柳の下で風に吹かれる夏目漱石を紙の上に表現しました。
山本 エミリ さん
広島女学院中学高等学校 1年生
作品名
もみじまんじゅう
作品に込めた思い
宮島に行くと必ず食べるもみじ饅頭。口の中いっぱいに広がるふんわりとした優しい甘さ。大好きなもみじ饅頭の美味しさを知ってもらいたいと秋の美しいもみじ葉とともに描きました。
6.九州地区
鶴本 愛奈 さん
宇城市立松橋中学校 3年生
作品名
熊本びっくり箱
作品に込めた思い
きれいだなと思った熊本の伝統工芸品や、天草の海のカワイイイルカ、名産品の辛子れんこん、県の花のりんどうなど熊本のすてきなものをつめんこんだ作品です。ノートを見た人に、熊本のよさが伝わればいいと思い描きました。
菊地 克弥 さん
福岡市立友泉中学校 2年生
作品名
守り神金剛力士
作品に込めた思い
僕は小学生まで奈良に住んでいて何度も東大寺を訪れ金剛力士像を見ていましたが、中学校の歴史の授業で国宝だと知りびっくりしました。僕にとっては身近で偉大でカッコいい金剛力士像を絵で表現したいと思いました。
宗 更紗 さん
学校法人佐賀学園 成穎中学校 1年生
作品名
幽玄なる夜のしじま
作品に込めた思い
日本三大稲荷のひとつ、佐賀県鹿島市にある祐徳稲荷神社を描きました。豪華で鮮やかな外観が、夜はライトアップにより幻想的な雰囲気となり、とても感動しました。光と影を表現するためパステルを使い工夫しました。
瀧内 暖人 さん
西南学院高等学校 2年生
作品名
今日は明太子
作品に込めた思い
今日、明太子を食べたので絵にしてみました。
審査員総評
中村 佑介さん(なかむら・ゆうすけ)
大阪芸術大学卒業。ASIAN KUNG-FU GENERATIONなどのCDジャケット、小説「夜は短し歩けよ乙女」や音楽の教科書の表紙カバーなどを数多く手がける。最新刊はCDジャケット全集「PLAY」(飛鳥新社)。兵庫県出身。
〈中村 佑介 さんの総評〉
いろんなコンテストで審査員を務めたことがありますが、今回の応募作品は、とりわけうまかったですね。どれが中学生の作品で、高校生の作品なのか、わからないくらいレベルが高い。何でなんだろうと考えましたが、やっぱりキャンパスノートの表紙になるっていうのは、大人が思っているより子供たちにとってめちゃくちゃ夢があるんです。思春期に「夢見がちだ」と蔑まれても続けていく折れそうな心と、みんなが使っている「ノート」という「現実」を飛び級的に結び付けてくれる。だから頑張れる。自分も小学生のとき、緑化ポスターで賞を頂いて、自分の名前が刻印された辞書をもらいましたが、いまだに本棚に大切に飾ってあります。ただ、コンテストだから、順位を決めなければいけないのですが、選ばれるかどうかは、単に多数決の問題です。今回、入選に入れなかった人も来年応募したら、選ばれるかもしれないので送り続けてほしい。それぐらいレベルの高い方たちの集まりだったと思います。地元の魅力を伝えたいというエネルギーが作品にあふれていて、僕が知らないイチオシを、もっともっともっと、これからもたくさん見せてほしいです。
林 亮太さん(はやし・りょうた)
画家、東北芸術工科大非常勤講師。2009年から色鉛筆による絵画の制作を始める。「超リアル」な色鉛筆画が人気。
〈林 亮太 さんの総評〉
審査員を務めるのは2018年から4回目になります。続けて応募作品を見ていると、年々びっくりするぐらい技術の高い人が増えていると感じます。みんな描くのが好きなんだろうなって、素直に伝わってくる。グランプリなどを選ぶのは、審査員の好みの問題にもなってくるので、どれが良い悪いでは全くないですね。たまたま自分の琴線に上手く触れたものがいいなっていう風になるだけの話であって、審査する人が違えば当然それも変わってくるでしょうから。「願わくば、このままずっと描き続けてね」と、僕は思います。中学生、高校生ってやっぱり、色々なことにどんどん興味が広がっていくと思うのですが、描き続けていけば、化けるに違いないという底のなさを感じますから。そういう可能性のあるコンテストだと思います。ですから、毎年毎年、審査員をしていてすごく楽しい。自分が絵を描くときの刺激にもなります。この年齢で、こんな色使いするんだって。自分が中高生の頃にも、これだけのテクニックがあれば・・・といつも驚かされます。
夢眠 ねむ さん(ゆめみ・ねむ)
キャラクターデザイン、映像監督、作詞、脚本、コラム執筆など幅広く活動している。「夢眠書店」を経営し、ミントグリーンのたぬき「たぬきゅん」とその仲間たちのプロデュースも手掛ける。多摩美術大学卒業。元「でんぱ組.inc」メンバー。みえの国観光大使。三重県伊賀市出身。
〈夢眠 ねむ さんの総評〉
去年、今年と2年連続で審査員を務めさせていただきました。この2年間はコロナ禍だったので応募してくれた方たちの描くものも、行動半径が狭くなってより身近なものを紹介している印象がありました。遠くの景色というよりは、本当に普段食べているものだったり、行かなくても思い出せる場所だったり。その人にとって、寄り添って、密着して、暮らす土地に根付いているものを見せてもらう感じがしました。各地でお祭りなども中止になりましたが、やりたいと思っている人は多いと思います。私も地元の祭りが中止になればなるほど、お祭りに想いを馳せてしまう。その土地に住んでいない人にも見てほしいと思うものがなくなっちゃうかもしれない不安をこの2年感じていました。去年と今年の応募作品にはそういったものを伝えたいという切実さも感じました。コンテストだから描こうというよりは、本当に地元の好きなものだから選んで描いてくれたんだと見ていてうれしくなりましたね。
作品に込めた思い
私の住む町福山は、素敵な名物がたくさんある素敵な街です。そんな福山の魅力を、絵探し感覚で楽しく知ってもらえるような絵を描きました。絵の中に隠された福山ならではの品は12個、すべて見つけられますか?