自分のモヤモヤにとことん向き合う「ひとり合宿」のススメ 2023.10.05
本当の自分がよくわからないと感じている人
自分は何が好きで、何が得意なのかよくわからない。なんとなく現状に対してモヤモヤしているけれど、うまく言葉にできない、という人に。
ひとり時間で頭と心をスッキリ整理
自分の内なる声と時間をかけてじっくり向き合うことで、本当の気持ちや、今やるべきことが見えてきます。
自分で自分のことがよくわからない?そんな時こそひとり合宿を!
自分の本当の気持ちや考えがわからなくなってしまうのは、外からの声の方が大きくなってしまっているから。いつもと違うひとりの時間で、自分をとりもどしましょう。
ひとり合宿のやり方、持ち物や書き方など
ひとり合宿って、具体的にどうすればいいの?という人に。6つのSTEPでやり方を紹介します。
【KAKIKATA STEP】
「もう、私のことはほっといてよ!自分のことは自分がいちばんわかっているから!」
ドラマや漫画ではよくあるセリフですが、はたして本当にそうなのでしょうか。これまで、ン十年生きてきた私の経験では、自分のことは案外、自分ではわからないものだと思います。
例えば、「あなたは何が好きですか?」「何が得意ですか?」「何がやりたいですか?」と聞かれて、何が思い浮かびますか?もちろん、「私はコレ!」とハッキリ言える方もいらっしゃいますが、「うっ、私ってどうなんだろう?」と詰まってしまう方も、少なくないのではないでしょうか。
なぜそうなるのかと考えてみると、やはり大人になるとどうしても、「やりたいこと」よりも「やるべきこと」が優先されてしまって、自分のことを後回しにしてしまいがちな方が多い、というのはひとつ、大きな理由だと思います。
日々の限られた時間や体力・気力の中で「やるべきこと」に一生懸命になり、「これが好き」「これがやりたい」という自分の「心の声」に耳を傾けずにいると、それはどんどん小さくなっていきます。心の声が小さくなってしまうと、いざという時に耳を傾けようとしても、なかなか聞き取ることができません。
小さくなってしまった自分の心の声を聞くためには、一度それ以外の音、外部の音を遮断する必要があります。そのためには、日常の、いつもの仕事や生活から離れて、とことん自分と向き合って、自分の内側に耳を傾ける、「ひとり合宿」がオススメです。
私は、数年に一度くらいのペースで、ひとり合宿をとりいれています。ここでは、その具体的なやり方をご紹介します。
STEP1 ひとり合宿にオススメの場所
いちばんのオススメは、ビジネスホテルです。遠くに行くことや旅行が目的ではないので、家の近くでも構いません。私は、自宅の最寄り駅のホテルを使うこともあります。
NGなのは、自宅です。理由は、どんなに集中しようと頑張っても、ついつい普段の仕事や生活が気になってしまうから。自分好み本やゲームなど、気が散る要素がたくさんある点もマイナスです。また、家族と同居している場合などは、そもそも自宅だと長時間ひとりになることが難しい、ということもあるのではないでしょうか。
いきなりホテルはハードルが高いな、と思われる場合は、カフェや図書館、コワーキングスペースなどでもOKです。とにかく長時間ひとりになることができて、静かに考えられる環境であることがポイント。乗り物が好きな方は、指定席のある特急電車や、飛行機などもアリです。
STEP2 ひとり合宿に必要な時間
理想は、1泊2日以上です。時間が短いと、普段から考えているような範囲内をぐるぐるするだけで終わってしまいます。私の経験上、だいたい考え尽くしたな、もうないな、となってから、ふいにポカッと浮かんでくる思考が実は本音だったりするので、そこにたどりつくためには、ある程度まとまった時間が必要になります。
どうしても時間を取るのが難しければ、1日や半日でも可能ですが、その場合でも、なるべく2時間以上は欲しいところです。
STEP3 ひとり合宿に持っていくもの
ここでは、何を持っていくかよりも、何を持っていかないかが重要です。自分の心の声を聞こうとしている時に、いちばんの妨げになるのは「自分以外の人の言葉」です。そのため、特にインターネットの情報にアクセスできるもの、スマホやPCは持っていかないか、持っていったとしても、ホテルの部屋に着いた時点で、電源を切るか、機内モードにします。テレビも、ひとり合宿のあいだは見ないようにします。
代わりに、聞きとった自分の心の声を書きとめるための、紙とペンは必ず持っていきます。この時に使う紙が小さいと、思考も小さくまとまってしまうので、A4サイズくらいの、大きめのものがオススメです。私は、コクヨのキャンパス ノートパッドをよく使います。ペンは、お気に入りのものを使いましょう。
考えるキッカケになるものがあった方が、思考を走らせやすいという人(私もこのタイプです)は、合宿のテーマに沿った本を触媒として持ち込むのはアリです。ただし、冊数が多すぎると、本を読むことに没頭してしまって元も子もなくなるので、1〜2冊程度にとどめます。
STEP4 テーマを決めて、ひたすら書く
ひとり合宿では毎回、その時々で考えたいテーマを決めます。内容は、「自分がやりたいことを見つける」「転職するかしないかを決める」「これから取り組むプロジェクトの計画を練る」など、なんでもOKです。
あとは、用意した時間をめいっぱい使って、そのテーマについて思い浮かんだことを、ひたすら紙に書いていきます。疲れたら、手を止めて、何もせずにぼーっとする時間があっても大丈夫です。お風呂にゆっくり浸かったり、好きなお菓子を食べたり、お茶を飲んだりするのもいいでしょう。ただし、うっかりスマホを見たり、テレビをつけたりすることは避けましょう。
そんなの退屈で耐えられない!と思うかもしれません。でも実は、その「退屈する」ということがポイントなのです。普段、退屈を避けてごちゃごちゃと頭に詰め込んでいるものが消えたところに、自分の意外な本音が見つかったりするのです。
STEP5 書き方のヒント
何をどんなふうに書くのかは基本的に自由ですが、もう少し具体的な方法があった方がとっつきやすいという人に、いくつか書き方のヒントをご紹介します。
「ジャーナリング」...頭に思い浮かんだことをひたすら書いていく方法。文章の正しさや上手さは一切気にせず、本当に頭に浮かんだことをそのまま書くのがポイント。
「フレームワーク」...対立軸(転職をしたい理由、したくない理由、など)、5W1H、あるべき姿と現状のギャップ分析、なぜなぜ分析、など。
「本のワーク」...持ち込んだ本に、考えるためのワークが載っている場合は、それをやってみる。(例:八木仁平『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』など)
STEP6 ひとり合宿が終わったら
ひとり合宿が終わったら、その時に書いた紙は保存しておきます。A4用紙であれば、クリップノート<BIZRACK>にとじておくと便利です。とじたものは手元において、普段の生活や仕事の中で、迷ったりわからなくなったりしたことがあった時などに見返すようにします。
見返すと「ああ、自分の心の声はそうだった」と、書いた時の感覚がよみがえるのが、手書きの良いところです。ひとり合宿中のメモにデジタルではなく手書きを推奨するのは、スマホやPCで気が散らないようにすることに加え、この「見返した時の感覚の再現性」が高いことが理由です。
おわりに
ひとり合宿が少しでも気になったら、まず半日や2時間からでも、ぜひ試してみてください。生まれ変わったみたいに、頭と心がスッキリする感覚を味わえると思います。
私はひとり合宿のようなことを気がついたら自然にやっていたのですが、いろいろな方が書かれた本の中でも、近しい内容が紹介されています。記事の最後にその一部を記載しますので、「もっといろんなひとり合宿のやり方を知りたい」という方は、そちらもぜひご覧ください。
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NAME匿名2023.10.05
記事を読んで、「ひとり合宿」私もやってみたい!と思いました。
まずは、週末「コワーキングスペース」からはじめようかな… -
NAMEヒゲパパ2023.10.05
手書きにすると脳の回転速度が落ちて、普段頭に残らないようなこともカタチにしやすくなると聞いたことがあります。
デジタル機器を断つ!まずは数時間からトライしてみます。