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「うみのふしぎの庭」

スペシャルインタビュー

「うみのふしぎの庭」の企画監修をしてくれたJAMSTECの皆さんにお話を伺うインタビュー3回目。
今回は、「海と地球の研究所」のメンバーである皆さんがどんな子どもだったのか、
また難しい研究などを進める際の「やる気パワー」(情熱)の源はどこにあるのかといったことを伺っていきます!

「うみのふしぎの庭」スペシャルインタビュー #3

JAMSTEC研究員はどんな子どもだった?
みんなのやる気パワーの源とは

これまでお話を伺った広報課の吉澤さん、監物さん、中條さんの3人のほか、JAMSTECの研究員で地球生命科学が専門である豊福高志さんにもお答えいただきました。

ライター江角

JAMSTECの皆さんは日々研究をされたり、その研究の成果を伝えるなど、素晴らしいお仕事をされていますが、子ども時代はどんな子だったのでしょう?

中條さん

今でこそ、潜水調査船などの機械を研究・開発するエンジニアとして働いていますが、勉強は得意な方ではありませんでした…(笑)

ただ、中学生になってパソコンをいじるようになって、BASICというプログラム言語と出会ってから変わりました。プログラミングをして、自分で作ったものが動くんだ!という感動があって、もっともっと自分でいろんなものを作ってみたいと思ったんです。それまでは英語嫌いだったんですが、自分がやりたいことを叶えるために一生懸命勉強するようになりましたね(笑)

伝説のやる木族

好きとか、やってみたい!という思いが、やる気パワーの源だったんだね!

中條さん

そうですね。私が取り組んでいるロボット開発の仕事などは、完成までに何年もかかります。うまくいかなくて、目標に到達するまでに、めげることも多々あります。むしろめげることの方が多い(笑)

それでもなぜ続けられるかというと、完成した探査機を見てみたい、自分の夢を叶えたい、その思いがあるからだと思います。

うまくいかなかったときは、工夫する。どうしたらできるかなと考える。そこが面白いんだと思います。誰も分からなかったようなことが、考えて工夫して分かるようになる。

勉強も同じかもしれません。壁にぶつかったときは、なぜだろうと考える。好奇心を持って工夫する、どうしたらできるかを考えてみる。そうやって考えて、やりたかったことができるようになったとき、夢が叶ったときのうれしさはひとしおですよね。

ライター江角

本当にそうですね!この壁を越えた先には何があるんだろう、見てみたい。子どもたちにもそんな好奇心を持って物事に取り組んでもらえたらと思います。

監物さんのお仕事やる気パワーについては、いかがですか?

監物さん

広報の仕事は、JAMSTECで研究していることや成果を大勢の人に伝えることです。中條さんのような技術者や研究者が、情熱を持って取り組んでいることを伝えることで、やる気パワーが伝染していって、そのことを知った人もやる気が出る。そんないい連鎖が起きてくれたらいいなと思っています。

研究所は、知らないことを知る「探求心」が欠かせない場所。そこにいる人たちの熱い思いを届けることで、やる気パワーもどんどん広がっていったらいいですね。届けたその先で、一人ひとりが自分のやる気パワーを見つけてもらえたら、そんなうれしいことはないです。

伝説のやる木族

やる気いっぱいの人を見ると、ぼくたちまでやる気になってくる!やる気パワーは偉大!

ライター江角

さてここかからは、研究員さんの「やる気パワー」の源について伺っていきます。 JAMSTEC研究員の豊福高志さん、よろしくお願いいたします。

最初にどんな研究をされているのか、教えていただけますか。

豊福さん

主な研究テーマは、「海洋に住む有孔虫という小さな生物が、炭酸カルシウムの殻を構築する過程の解明」です。

© JAMSTEC

ライター江角

なんだか難しそうですね(笑)研究をやっていてうれしいことは何ですか?

豊福さん

研究をする際は、「現場に行って、こういう調査をしたら、こうなるだろうな」「こんな実験したら、あれがわかるだろうな」とあらかじめ予測を立てます。それが「思った通りだった!」となったときはうれしいですね。

でも実際には「分かんなくなっちゃった」「何でこうなるの?悔しい!」と思うことの方が多いんです。たとえば、ある程度こうだろうなと思ったものを、いざ電子顕微鏡で観察してみたら、想像と全く違っていたことも多々あります。

なぜ思っていたことと違っていたのか? それを突き詰めて「あ、そういうことだったんだ!」と分かったときは、じらされた分、喜びも大きいですね(笑)

ただ、たいていは、研究すれば全部すっきり分かるということはなくて…。細かく調べているせいで、さらに謎なことが次から次へと出てきてしまいます。だから、調べないといけないことも、どんどん広がっていっちゃう(笑)

研究はこの繰り返しです。

知りたいことを知れること。それに伴って出てきた、より難しい課題をまた解いていく。その繰り返し。それが楽しい。やる気の源はそこにあります。

ライター江角

分からないことにぶつかり続けて、途中で投げ出したくなったりしないのでしょうか。

豊福さん

それは、もちろんあります(笑)ただ、私は1人で研究をしているわけではなく、仲間がいます。難しいことを仲間と一緒に取り組む、みんなで悩みつつ試行錯誤すること自体が面白いと思っています。また、研究して発見できたことを、私ひとりで喜ぶのではなく、仲間と分かち合えることもうれしいですね。

さらに、研究した結果を発表する喜びもあります。学会で研究成果について話をすると、自分と同じことを思っていた人が見つかったり、自分では気が付かなかったようなアドバイスをもらえたりすることもあります。他の人からのリアクションがあると、うれしいものですね。

ライター江角

なるほど、仲間の存在は大きいですね。そして、頑張った成果を知ってもらうこと、反応をもらうことも確かにやる気パワーに繋がりそうです。

豊福さん

研究所には、いろいろな考えをもつ人たちが集まっています。しかもそれぞれが、その道の専門家。そういう場所でお互いに意見を出し合ったり、難しいことに一緒に取り組んだり、悔しがったり…。それができる環境にあることもやる気パワーに大きい影響を与えているのかもしれません。

お子さんたちも、一緒に難題に取り組んで、乗り越えたときの喜びを分かち合える仲間がいると、それが大きなやる気パワーに繋がるように思います。

© JAMSTEC

ライター江角

本当にそうですね!学校の友達だけではなく、お母さんという立場でもそんな風に一緒に喜んだり悩んだりできたらいいのかもしれません。

がんばった成果が見えるやる気ペンを活用して、子どもとそんないい関係が築けたらいいなと思いました。この度は、たくさんいいお話を聞かせていただき、ありがとうございました!


JAMSTECについて

JAMSTEC(ジャムステック・国立研究開発法人海洋研究開発機構)は、地球環境変動、海洋生物・微生物の進化や起源の探究、海で起きる地震・津波・火山、海洋資源など、海を対象とするさまざまな分野の研究と技術開発を行う海洋科学技術の総合的研究機関です。

https://www.jamstec.go.jp/

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