丸顔に三角の耳、
しましまの長いしっぽ

レッサーパンダが住すんでいるのは、中国やネパール、インドなどのひょう高150mをこえる森林です。冬には雪がつもる寒さむい場所しょでくらすために、足のうらまでふわふわの毛でおおわれています。パンダという名前がついていますが、アライグマやイタチのなか間です。するどいつめを使つかって上手に木に登のぼり、昼間と夜は木の上でねています。しましまの長いしっぽは、木の上でバランスを取とったり、ねるときに体にまきつけてあたたかくするために用いられます。顔は丸くて耳は三角、目と口のまわりに白い毛が生えています。おなかの毛は黒っぽく、木の上にいるときに、地上にいるてきから見つかりにくい「ほご色」になっています。

前足で、上手にえさを
つかめる

レッサーパンダは、主おもに竹の葉はっぱやたけのこ、木の実みなどを食べています。鳥のたまごやこん虫ちゅう、小さな動物どうぶつを食べることもあります。前足には５本の指ゆびのほかに、ほねがへん化してできた「第だい6の指ゆび」といわれるでっぱりがあり、人間の手の親指ゆびのように使つかって、かた足だけでえさをつかみます。後ろ足はかかとまでしっかり地面めんについていて、後ろ足だけで立ち上がることもできます。高い所ところにあるやわらかい葉はっぱを食べたり、あたりをけいかいする時に、２本足で立ち上がります。レッサーパンダの数は、２０年ほど前にくらべて、半分ほどにへってしまいました。森の木がたくさん切られ、住すめる場所しょが少なくなったからです。毛皮がわを取とるためにぎせいになったり、ペットにするためにつかまえられたりしたことで、近いしょう来、ぜつめつのきけんせいが高い「ぜつめつきぐしゅ」に定さだめられました。

水べの生活にべんりな体

世界せかいに13しゅるいいるカワウソのなか間の中で、一番小さいコツメカワウソは、東南アジアや南アジアの小川や田んぼ、海岸がんにくらしています。泳およぎがとく意いで、水の中に７〜８分間ももぐることもできます。体は水の中で動うごきやすい流りゅう線けいで、指ゆびの間には水かきがあります。目は水の上も中も見やすいよう、頭の上の方についています。鼻はなと耳は水が入らないように、あなをとじることもできます。しっぽは太くて平たく、船の「かじ」のように使つかって水の中でも思い通りの方へ進すすみます。顔のひげとひじにある「感かんかく毛」という毛で水の流ながれを感かんと取じり、にごって見えにくい水の中でもえさの場所しょをつき止めます。

１０通りの鳴き声で、
なか間とやりとり

コツメカワウソは、エビやカニ、魚、カエル、貝などを前足でつかまえて食べます。じょうぶなあごと、歯はを持もち、カニのこうらや貝がらもバリバリとかみくだきます。水の中をぐるぐる泳およぎ回りながらえさをとるために、エネルギーをたくさん使つかうので、たくさん食べなければなりません。家族ぞくでくらし、鳴き声を使つかい分けて、おたがいにやりとりをします。その声は10通りをこえるともいわれています。
野生のコツメカワウソが住すんでいる水べは、開発かいはつによってどんどんなくなっています。ペットとしてかいたい人も多く、たくさんのコツメカワウソがつかまられてきました。そのため、野生のコツメカワウソの数は大きくへってしまい、今ではぜつめつのおそれがあるとされています。

雪と氷こおりの高い山に住む
氷ひょうが時代だいの生きのこり

「氷ひょうが時代だいの生きのこり」といわれる日本のライチョウは、冬は雪におおわれる日本アルプスなどの高い山で生活しています。寒さむさの中でも体からねつがにげないよう、体全ぜん体が丸くてふっくらとした形をしています。羽毛は１年の間に３回、生えかわります。夏の羽は、岩ににた黒っぽい色や茶色、秋は葉はの色がかわっても目立たない黒っぽい色、冬は雪と同じ白色になります。このように、まわりの色にまぎれて、てきから身みを守まもる体の色を「ほご色」といいます。羽毛は、寒さむさをふせぐために足の指ゆびまでおおっています。この足の羽毛は、雪の上ですべりにくくする役目もはたしています。オスは目の上が赤いことで見分けられます。

大こう物ぶつの高山植物しょくぶつが
ピンチ！

夏の間、ライチョウは、コケモモやガンコウランなどの高山植物しょくぶつのめや葉はっぱ、花、実みを食べてくらしています。冬は、がんじょうなくちばしとつめを使つかって、こおった雪からダケカンバのめなどをほり出して食べます。このように、きびしい山で生きぬいてきたライチョウは、国のとくべつ天ねん記ねん物ぶつに指定していされていますが、近ごろはずいぶん数がへってしまいました。その理由りゆうは、これまで高い山にはいなかったシカやサルが山に入り、ライチョウのえさである高山植物しょくぶつを食べてしまうからです。登と山客きゃくがすてたべん当の食べのこしを目当てにキツネやカラスが山に住すみつ着き、ライチョウをおそう場合もあります。1980年代だいには全ぜん国で3,000羽ほどいると考えられていたライチョウは、2000年代だいには1,700羽くらいにへり、ぜつめつきぐしゅに指定していされています。地球きゅう温おんだん化かによって、ライチョウが生きていける場所しょや食べるものがますます少なくなっていくことも心配ぱいされています。

世界せかい一見つけにくい⁉︎
ネコのなかま

ユキヒョウは、高さ6000mほどの大きな山がつらなるヒマラヤや、中央おうアジアにくらす、大がたのネコのなか間です。人がかんたんに近づけないような岩の山や林に住すみ、野生のヤギやウサギ、ネズミなどを食べます。毛でおおわれた体は、白に黒のはん点も様ようがあり、雪がつもった岩と見分けがつきません。ライオンやトラとはのどの作りがちがっているので、ガオーッとほえることはありません。これらのことから、ユキヒョウは、「大自ぜんの中にいる野生動物どうぶつの中で、もっとも見つけにくい」といわれることもあります。

雪の岩山で、
フサフサしっぽが
大助たすかり

ユキヒョウの体をよく見ると、雪がつもる、寒さむくけわしい場所しょに向むいていることがわかります。長くて太いしっぽは、がけをかけ上る時にバランスを取りやすく、マフラーのように体にまいて寒さむさから身みを守まもることもできます。大きな足のうらには毛が生えていて、雪の上ですべりにくく、急きゅうなしゃ面めんをえものに向むかってしのびよったり、待まちぶせをしてとびかかったりするのに役やく立ちます。
きびしい自ぜんの中で生きぬいてきたユキヒョウですが、白と黒のきれいな毛皮がわを取とるために、たくさんつかまえられてきました。かりがきん止された後も、みつりょうがたえません。えさになる動物どうぶつがへったので、家ちくをおそい、おこった住じゅうみんにつかまることもあります。こうして、ユキヒョウの数は大きくへってしまい、今では、ぜつめつのおそれがあるとされています。

森にまぎれる
白黒もよう

マレーバクの体重じゅうは約150kgキログラム〜300kgキログラム。後ろ足の指ゆびが3本でサイやウマと同じ、き数の指ゆびを持もつなか間です。白と黒の体は、森の中にまぎれ、トラやヒョウなどのてきから身みをかくすために役やく立っているといわれます。赤ちゃんの間は体に白いしまもようがあります。

葉はっぱをつかめる鼻はなは、
水にもぐるときにもべんり

マレーバクは夜行せいで、東南アジアのねったい雨林や川のまわりで草や木の葉は、か実じつなどを食べて生活しています。上くちびると合わさって長くのびた鼻はなは、自由ゆうによく動うごきます。食べ物ものをさがしたり、少し高い場所しょにある木のえだや葉はっぱを引きよせて食べるのにも、とてもべんりです。てきにおそわれたときは水の中ににげこみ、水面めんから鼻はなの先をだして、息いきをしながらきけんが去さるまでじっと待まつこともできます。

木きの上うえでくらす
リスのなかま

ムササビは、日本にほんの森もりにすみ、木きの上うえでくらすリスのなかまです。からだのながさは40cmセンチメートルほどで、しっぽを入いれると80cmセンチメートルくらいになるものもいます。からだはちゃいろのけでおおわれ、おなかは白しろっぽく、りょう目めのよこに白しろいもようがあります。

ぜんしんをひろげて、
木きから木きへとびうつる

ムササビは、はっぱや花はな、どんぐり、カタツムリやこん虫ちゅうなど、いろいろなものをたべます。ひるまは木きの「うろ」などで休やすみ、夕ゆうがたになると、えさをさがして、うごきはじめます。よる、森もりで「グルルル」というなきごえがきこえたら、ムササビかもしれません。あたりがくらくても、においで、たべもののありかをちゃんとかぎわけることができます。また、まえ足あしとうしろ足あしのあいだなどには「ひまく」がついています。高たかい木きからひくい木きをめがけてとびうつるときには、ひまくをひろげ、かぜをうけとめます。ふだんは15～20mメートルくらいとびますが、うまくかぜにのれば、100mメートルもはなれた木きまで、大だいジャンプすることもあります。まるで小ちいさなざぶとんが、そらをとんでいるように見みえます。いまでは、すみかにできる木きや森もりがへり、ムササビのかずもすくなくなってしまいました。