2022.02.22
書類整理が苦手な人にこそ知っていただきたいファイルの使い方
コクヨが2022年1月に独自に行ったアンケートによると、一日のうち「探し物」に充てている時間は平均13.5分。年間に換算すると54時間。今回は、代表的な探し物である資料の整理方法について、ファイルの特性やコツなどを踏まえてご紹介します。
「あの資料、どこかにあるはずなんだけど、どこやったっけ?」(ガサガサ、ゴソゴソ・・・)
必要だと思って取っておいたはずの書類が、いざ必要な時に限って出てこない、ということ、働く大人なら誰しも一度は経験しているのではないでしょうか?
書類整理をするメリット
インスタグラム公式アカウント「コクヨのぶんぐ」のフォロワーさんを対象に行ったアンケート(※)によると、仕事中何らかの「探し物」に費やしている時間は一日平均「13.5分」。年間に換算すると「54時間」という結果になりました。(※2022年1月、N=484)
実は4年前の2018年にも、ビジネスパーソンが書類を探す時間についての調査を行っており、その時の結果は一日平均「20分」!年間換算で「80時間」というものでした。
コロナ禍やデジタル化によって紙資料の量そのものが減っている傾向はありますが、それでも結構な時間を費やしていることに変わりはありません。
今回は「探し物」の代表格ともいえる書類の整理について、取り上げてみたいと思います。書類整理はほんのちょっとした「コツ」とよく工夫された「道具」があれば、決して難しいことではありません。この機にコツをつかんで、年間54時間をより有効に使っていきましょう!
書類整理の基本
書類に限ったことではありませんが、整理が得意でない人に必ず共通する特徴は、「要らないものをたくさん持っている」こと。整理する作業に入る前に、まずは「要るもの」と「要らないもの」を分別していきましょう。
要らない書類は捨てる
クリヤーフォルダーをパンパンにするまで書類を入れてはみ出した書類の角が擦れたり折れたりしていたら、まずはその中身を一度全部見返してみましょう。すでに終わった案件の資料や、パソコンに保管済みの資料まで大事に持っていませんか?紙で持っている必要がない資料は、シュレッダーかリサイクルボックスの中へ。
必要な書類は使用頻度別に分ける
残った書類は使用頻度別に分けていきます。
まず一軍資料としては、今、必要な書類。進行中の案件やプロジェクトに関する資料や、今日明日で処理しないといけない手続きに関連する資料はこのグループです。
次の二軍資料は、時々必要になる書類。制度や規約に関する書類、マニュアルなど、毎日は見るわけではないけど確実に必要な資料はこのグループ。
最後の三軍資料は、今のところ参照する予定はないけれど、いつか役立つような気がする資料。パソコンの中にデータとしてあるわけでもなく、捨ててしまったら手に入らないというたぐいのもの。捨てるのが躊躇われるときは無理して捨てることはありません。いったん三軍資料として取っておきましょう。
このほかに、法律や会社・組織として、保管ルールや保管年限が決められている書類については、もちろんそれぞれ既定のルールに従って整理しましょう。
おすすめの書類整理方法
手持ちの書類を使用頻度ごとに分けることができたら、それぞれの使用頻度に沿った整理をしていきます。
今回は、コクヨ社員(出社と在宅勤務が半々の生活)の自宅のデスクの上にいつのまにかできてしまったこの書類の山を整理していくことにします。
今すぐ使う一軍資料
①案件ごとに分けてクリヤーホルダーに入れる
今、ないし、今日の仕事に必要(完了次第、破棄)という書類については、手軽に手に入るものを使って時間をかけずに分類するのが一番。
分類はする必要がなければしなくてよし、必要があれば付箋を使ってみましょう。
私がよくやるのは、あえて付箋の裏側に案件名を書いて、クリヤーホルダーの内側から貼っておく、というもの。当座の資料はこれで十分です。
➁書類をノートのように持ち歩く・使う
書類といっても、プリントアウトしたものだけではなく、自分自身の頭の整理やアイデアのスケッチなどにA4の白いコピー用紙をよく使う、という人には昨年ビズラックシリーズから発売された「クリップノート」という商品をご紹介します。
使い方は簡単。クリヤーホルダーよりもだいぶ厚みのあるしっかりしたPP製のファイルに書類を挟み、ファイルに付属しているクリップで留めるだけ。
構造的には、提案資料にもよく使う「レール付きクリヤーホルダー」と同じですが、クリップの部分がファイルに固定されている分、挟む作業が格段に楽になります。
案件ごとにノートを一冊つくるようなイメージで、書類整理ができます。
また、最近は仕事をする場所をフレキシブルに選ぶことができる方も増えています。基本的には家に置いている書類の中から「今日必要になりそうな資料」だけを取り出して持ち運ぶという時に便利です。
時々参照する二軍資料
毎日持ち歩くものではないけれども2週間~1か月程度にわたって必要な書類の整理には、カタスシリーズの「インデックスホルダー」を使います。
インデックス部分は市販の付箋のサイズに合うようになっていて、かつ、抜き差し簡単、かつ簡単には外れない、という一挙三得。簡単に、きれいに、書類整理ができます。
一般的な付箋が使えるので、インデックスシールをわざわざ買う必要もありません。
さらに、同じカタスシリーズの「クリヤーホルダーファイル」を使うと書類の持ち運びもらくちん。「インデックスホルダー」に入った資料をそのままこの「クリヤーホルダーファイル」にバサッと入れればいいだけです。毎日使うわけではないけど、いざという時にあると便利なアイテムです。
もしかしたら役立つかもしれない三軍資料
「使うかどうかわからないけれど、とりあえず捨てずにとっておく」資料は往々にしてその存在自体を忘れがち。一応、どんな資料なのかを分類するにあたっては二軍資料と同様に、インデックスホルダーなどを上手に使って見出しをつけておきましょう。
そのうえで、三軍資料の置き場としてまとめてファイルボックスなどにしまっておきます。
今回はカタスシリーズの仕切り付きファイルボックスを利用して、二軍書類を手前に、三軍書類を奥に入れてみました。
ちなみに、このファイルボックスは取っ手が付いているのでワゴンの引き出しからの出し入れにも便利。
自宅で使う場合は、就業中は机の上に、修行後は足元ないし棚へ、移動も簡単です。
なお、三軍書類については半年から一年に一度は中身を見直しましょう。
アメリカの国際記録管理協議会(National Records Management Council)によると、書類作成(取得)から半年後には10%の資料しか使っておらず、1年後に見返すのはわずか1%。残り99%の書類は不要なものになっているそうです。これを調査機関の頭文字をとって「ナムレコの法則」といいます。
一年に一度も袖を通さなかった洋服は捨てるかリサイクルへ、という話をよく聞きますが、書類も同じですね。
整理整頓された状態を長続きさせるには?
書類の置き場所を決めておく
一軍、二軍、三軍それぞれの書類の置き場所(住所)を決めてあげるのが重要です。
たとえば、一軍資料はカバンの中や机の引き出しの一番手前、二軍資料はファイルボックスの一番取り出しやすい手前側、三軍資料の書類はボックスの奥側など、それぞれの「住所」を決めてあげましょう。
就業後には元あった場所に戻す習慣を
せっかく住所を決めたのに、元の場所に戻ることなく「住所不定」となって机の上に積まれていく、ようなことがないように、終業後はもとあった場所に戻しましょう。
「ちょっと面倒くさいなぁ」って思ったかもしれませんが、この「ちょっと」を習慣化してみることで、これまで書類探しに費やしていた時間がもっと自由に使えるかもしれません!
皆様もぜひ試してみてください!