2020.08.11
スタディプランナー、上手な使い方のヒント~商品開発者に聞く~
最近、中高生の間で話題のスタディプランナー。勉強計画を立てた方がいいのは分かっているけど、面倒くさいし、続かない。そんな皆さんのために、今回は、「キャンパススタディプランナー」の企画開発者に、開発の狙いと上手な使い方のアドバイスを聞いてみました。計画上手になるためのヒントが見つかるかもしれません。
勉強計画を立てるべきだと分かってはいるけれど・・・
最近、中高生の間で定着している感もあるスタディプランナー。
一方で、勉強計画を立てた方がいいのは分かっているけど、なんかちょっと面倒くさいし、続かなそうという人もたくさんいる模様。
実際、2020年6月にコクヨが行った中高生824名を対象にしたアンケートでは、「試験の点数アップや目標達成のためには勉強計画を立てるべきだと思う」人は91.4%。
しかし、「実際に勉強計画を立てることができていると思う」かどうかを聞いてみると、できていると答えた人は46%。ギャップが結構ありました。
できていないと思う理由の1位は「計画を立てても続かない」、2位は「計画を立てるのが面倒くさい」3位は「計画の立て方が分からない」という風に続きます。
試験の点数アップや目標達成のためには勉強計画を立てるべきだと思いますか?
自分は勉強計画を立てることができていると思いますか?
あなたが勉強計画を(あまり)立てられていないと思う理由をすべて選んでください。
(2020年6月、コクヨ調べ、n=824)
計画を立ててみてもなかなかその通りにできないと、次第に計画を立てること自体が無駄に思えてくるってことありますよね。今回は、そんな皆さんにもぜひ読んでいただきたい、題して、「スタディプランナー、上手な使い方のヒント~商品開発者に聞く~」です。
面倒くさい、続かない、という心のハードルはどうやったら下げることができるのか、ずっと考え続けてきたキャンパススタディプランナーの企画開発者に、開発時の試行錯誤を聞いてみました。
もしかしたら計画上手になれるヒントがあるかも!!
話を聞いた人
コクヨ株式会社 ステーショナリー事業本部 商品企画部 岩岡里緒(左)
2018年 新卒でコクヨ入社後、商品企画部に配属。2020年6月発売のキャンパススタディプランナー2ウィークス罫の企画を担当。
コクヨ株式会社 ステーショナリー事業本部 商品企画部 絵馬多美子(右)
入社後、プロモーション部門を経て商品企画部へ。長年ノートの企画開発に携わる。途中、産休を経て2018年に復帰後、キャンパススタディプランナーのノートタイプの企画を担当。
面倒そう、大変そうという心理的なハードルを下げることができるか
調査結果を見た印象はいかがですか?
絵馬:商品の企画をしているときもこういうアンケートを取っていて、同様の結果が出ていました。学生共通の関心事、困りごとなんだなと思います。91%が成績に影響すると認識しているのは驚きですね。
岩岡:やるべきだと思っている人のうち実際にできている人は半分もいないということになりますね。ギャップがあることに改めて気づきました。
ノートタイプを開発した当時、どんな人たちに向けて、どんな工夫を施したのですか?
絵馬:以前はルーズリーフタイプでした。これがとても好評で、多くの学生さんに使っていただきました。ただ、やったほうが良いとわかっていてもできない人が多いこともわかっていたので、どうすれば面倒そう、大変そうという心理的なハードルを取ってあげられるだろうかと。
ルーズリーフは1枚1枚バラバラで綴じる手間がかかるので、それよりもパッと開いてすぐに書けるものがいいだろうと考えて生まれたのがノートタイプです。
コンテンツは、できるだけ少なくしました。目標やスケジュールなど書くところが増えると面倒になってしまうし、実際にすべて書き込んで使っている人は少ないようだったので、必要なコンテンツだけに絞ったんです。
価格設定も工夫しました。学生が自分のお小遣いで気軽に買えて、ちょっと試してみようかなと思ってもらえるような価格にしています。
2018年6月発売 キャンパススタディプランナー(ルーズリーフ)
2019年6月発売 キャンパススタディプランナー(ノート)
高校生への詳細なヒアリングから誕生した2ウィークス罫
2ウィークス罫は今年6月に発売されたばかりですが、評判はいかがですか?
岩岡:好評をいただいています。特に、A5版がよく売れているようです。コンパクトで持ち運びしやすいのと、可愛らしいサイズなのが女子中学生・高校生に人気があるようです。
絵馬:テスト前だけでなく、夏休みなど長期休暇中の受験勉強計画に使っている人も多いですね。長い休み中は、計画を立てないとついだらだら過ごしてしまうので、是非活用して欲しいです。
2ウィークス罫開発時にはどんな調査をし、何を工夫したのでしょうか?
岩岡:ノートタイプが好評だったので、新しいタイプを開発していきたいと思っていました。リサーチしたところ、テストに合わせて勉強計画を立てたいと思っている学生が9割近くいたので、テスト用のスタディプランナーを作ることにしました。
罫線に関しては、高校生に何度もヒアリングをしました。計画を立てるのが得意ではない人にも使ってもらえる商品にしたかったので、タイムスケジュール欄は思い切って外し、テスト前の勉強計画に不可欠な要素のみを書けるように工夫しました
見開き2週間にしたのは、使いやすさを重視してのことです。パッと開くだけで「あと何日で何をしなければならないのか」がすぐにわかるようになっています。
スタディプランナーをどのタイミングで使用していますか?
(2020年 コクヨ調べ、n=105)
テスト勉強の困りごと
前日になってやっていない範囲に気づいてギリギリで焦って勉強している
もっと早く勉強しておけばよかったと後悔している
高校で科目が増えたので全範囲が終わらない
岩岡:サイズは現在A5とB5の2種類があります。見開き2週間なので小さすぎると書き込む量が少なくなってしまうし、大きすぎると書く量が増えて使うのが面倒になってしまうので、この2サイズに落ち着きました。
好きな科目、1科目からまずは試してみて欲しい
計画の立て方が分からない人、計画を立てても続かない人へアドバイスはありますか?
岩岡:自分に合う計画を立てられていないのかもしれません。スタプラには記入例が書いてあるので、そういうものを真似ながら自分に合う計画を立ててみてほしいなと思います。計画を立てるのが面倒くさいという人には、2ウィークス罫が良いと思います。3種類の中で一番書き込む量が少ないですから。
絵馬:1DAYを使っていてうまくいかないなら、1ウィーク罫や2ウィークス罫を試してみるのもありです。スタプラは教科書みたいなものなので、まずはガイド通りに書いてみて欲しいですね。
ご自身が高校生のときにスタプラがあったら、どうだったと思いますか?
岩岡:買っていたと思います。実は私、高校生のときに自分で計画シートを手作りしていたんです。科目別に2週間の計画を立てていて、まさに2ウィークス罫スタプラに近いものを作成していました。開発のときも当時の自分を思い出して、「こんなノートがあったら嬉しいだろうな」と考えながら作っていました。
高校時代に可愛いデザインの勉強計画ノートがあったら、モチベーションも全然違っていたと思います。テスト勉強は2ウィークス罫、受験勉強のように1日1日自分を律してストイックに勉強したいときは、1DAYや1ウィーク罫というように、状況によって3種類をうまく使い分けていたと思います。
絵馬:私は、まったく無計画な人間で(笑)。好きな科目しかやらなかったり、1科目ばかりやってしまって他の科目は手つかずだったり、計画を立てられない学生時代でした。当時スタプラと出会えていたら、もっとうまく時間が使えていたんじゃないかと思います。
今の私がかつての私にアドバイスするなら、2ウィークス罫をすすめますね。1日単位でしか勉強を考えていなかった自分に、テスト日から逆算して週間計画を立てることを教えてあげたいです(笑)。
スタプラを使って計画を立てる経験は、大人になってからも役に立ちそうですね。
岩岡:そうですね。小学生の子どもに使わせていますというお母さんもいます。先の見通しを立てて計画を立て、実行していく良い練習になると思います。
最後に、勉強をがんばっている学生さんにメッセージをお願いします。
絵馬:1科目からでいいので、スタプラを使ってみて欲しいですね。使って計画を立て、実行してみて、テストの成績が一度でも上がったらきっと続けようというモチベーションが上がるはずです。
岩岡:やり方が身につけば、面倒に感じないで続けることができると思います。計画立てに慣れないうちは、余裕を持った計画にすることも大事です。2ウィークスではなく最初は3週間くらいのスケジュールでやってみて、慣れてきたら少しずつスパンを短くしていきましょう。
計画を細かくしすぎないこともポイントです。「毎日◯ページずつやる」というのが難しいなら、「今週は英語の〇〇単元だけをやる」など1ウィークのテーマだけをざっくり決めて取り組むと良いですよ。
ありがとうございました。
計画的に勉強したいという中学生・高校生の悩みに真剣に向き合って作られた「キャンパススタディプランナー」。計画を立てて実行できる人よりもむしろ、計画立てが苦手な人こそ一度試してみてください!
キャンパススタディプランナー