2021.06.03
皆さまの声を受けて、小学生用カラーノートができました～カラーノート研究会活動報告～
視覚過敏の症状を持つ高校生の声から始まったコクヨのカラーノート研究会。「誰もが手軽かつ堂々とカラーノートを選べる社会を作る」ことを目標に活動しています。このたび多くの方から熱いご要望をいただいていた「キャンパスノート（用途別・カラーペーパー）」（小学生用カラーノート）を作りました。
視覚過敏の症状を持つ高校生の声から始まったコクヨのカラーノート研究会。「誰もが手軽かつ堂々とカラーノートを選べる社会を作る」ことを目標に、これまでカラーノートを実際に使用して使いやすさや目への負担感についてモニターを実施するなどの活動を続けてきました。
参考）視覚過敏の方にも、かわいいノートが好きな方にも！ 「カラーノート研究会」始動しました
2021年1月にはその研究結果を踏まえてキャンパスノート（カラーペーパー）3色を公式オンラインショップで発売したところSNSやお客様相談室にたくさんの反響をいただきました。
※2023年9月注記：「カラーノート研究会」の活動は終了しています。
小学生用カラーノートを作ってほしい
◎お客様相談室によせられた声
小学生2年生の子供に視覚過敏があって、白いノートがまぶしく感じるらしいのです。小学生は大学ノートを使わないのでマス目のある漢字ノートや算数ノートのカラー版があればすごく助かるのですが。
小学校低学年の頃は、点数を取ることもさることながら、勉強の習慣をつけるのにとても大事な時期。ノートがまぶしくて勉強が進まない姿は、親としては確かに心配です。
◎SNSに上がった声
コクヨがカラーノート再販売している！使ったことないけどこの際買ってみようかな。小学生版とかあればいいのに。
子供用に算数国語のマス目ノートもあるといいな
子どもから大人まで、特に学校でもバンバン使用できますように！多様性を認める世の中、学校も白のノートでなければいけない、なんて今どきもう言わないはず。目が楽に勉強できるといいよね。
SNSからも小学生用のカラーノートを望むお声を多数頂戴しました。小学校のうちは特に、学校の指定ノート以外は認められなかったり、色付きはダメと先生に言われてしまう場合もあるそうで、もっとたくさんの人が視覚過敏について知るきっかけづくりについて考えさせられるコメントもありました。
◎購入者ヒアリングでお聞きした声
学習障害の我が子は自分に合った文具があるだけで勉強のパフォーマンスが劇的に上がることを私は分かっているんです。私は子育てをしているうちに文具博士になりました。子どもに合う文具が見つかったら、いつも箱買いしています。子ども向けのノートで色が付いたノートがあったらいいと以前から思っていました。
オンラインショップで商品をご購入いただいたお客様の中で、コクヨからの直接ヒアリングにご協力をいただいた女性の言葉です。小学生と中学生のお子さんが二人とも学習障害をお持ちでした。
学習障害と視覚過敏は完全に呼応するものではありませんが、発達障害や学習障害がある子どもたちは、そうではない子どもたちと比べて視覚過敏の割合が高いと言われています。
目的は他の子と同じように同じことができるようになることではなく、子どもが少しでも勉強できる環境を用意すること。そのため良さそうなものは、たとえ他の子とは違う道具であっても何でも試す、というお声には強く訴えかける力がありました。
視覚過敏を自覚し始めるのは小学生
カラーノート研究会の研究員でご自身やお子さんが視覚過敏を持っている方に「いつから視覚過敏を感じるようになったか？」と尋ねてみると、10人中8人の方が「小学校低学年以前から」と答えています。
「グリーンノートをもっと手軽に手に入るようにしてほしい」という高校生の声をきっかけに発足したカラーノート研究会ですが、実はカラーノートを求める方々の多くは、もっとずっと前から白いノートが苦手だった可能性も見えてきました。
"やはり小学生が使えるマス目ノートのカラー版を作らないわけにはいかない！"
そうと決まれば急ぎ着手。今できるカラー中紙は何色があるのか、マス目をどうするか、表紙は・・・開発チームが動き出しました。
小学生向けカラーノートラインナップを追加
このような経緯を経て、今回、小学生向け第1弾として、グリーン、パープル、イエローの3色のノートを販売します。
罫線は幅広い年齢層で使える5㎜方眼罫（10mm実線入り）です。サイズはすべて6号（セミB5）で、中紙の枚数は30枚となっていて、表紙や製本は、キャンパスノート（用途別）と同じデザインになっています。
（画像クリックで拡大します）
（画像クリックで拡大します）
（画像クリックで拡大します）
カラーノートで気になるマーカーとの相性はこちらの見本を参考にしてください。
◎実際にHBの鉛筆で文字を書いてみました
方眼罫のマス目は漢字練習や算数ノート、理科の観察、社会科など幅広い科目で使えます。10mm実線のマス目では小さい低学年のお子様には、4マス一字や9マス一字にすることで使っていただけそうです。
（※上記画像はコクヨマガジン編集部がスマートフォンで撮影。紙色については実際の色と差異が生じています。紙色は商品紹介で使用している画像をご参照ください。）
「無理」「できない」を「できる」ヘ
視覚過敏のある大人の方の中には「白いノートに字を書くのは、光が反射している鏡を見続けながらそこに字を書くようなもの」と表現される方がいます。この状態を、幼い頃から視覚過敏をもっている子どもたちが言葉にして伝えるのはなかなか難しく、結果的に「勉強はつらいもの」という先入観が勉強嫌いにつながり、中には学校生活そのものが辛く感じてしまうこともあるようです。
学童期に感じる挫折は大人が感じるそれよりもいっそう深く長く本人の心に残るもの。ノートひとつ変えることで、「つらい」「できない」「無理」が「大丈夫」「できる」に変わる瞬間を少しでも増やせますように！
そして、もちろん視覚過敏の症状がないお子さんにも、好きな色や落ち着く色のノートを使うことで、勉強へのやる気スイッチが入る可能性も！ぜひお試しください。
※2023年9月注記：「カラーノート研究会」の活動は終了しています。カラーノートの販売は引き続き「公式ステーショナリーオンラインショップ」で行っています。
ご購入はこちらから↓
カラーノートの取り組みについては、これからもご購入者様や関心を持ってくださる皆様との継続的なコミュニケーションを通じて、さらなる改良、ラインナップの追加を目指していきます。
●漫画／イラスト
モンズースーさん：ADHD当事者で発達障害グレーゾーンの兄弟の母。子どもたちとの日常などをコミックエッセイで描いたブログ「凸凹ハウス～親子で発達障害でした～」を随時更新中。
キャンパスノート（用途別・カラーペーパー）
中紙に色がついていることで視覚過敏の症状がある方にも使っていただきやすい商品。視覚過敏がない方にも白の紙と比べると目に優しく、疲れにくいという調査結果もあります。
