スペシャルインタビュー
「もっとやる気の庭」第1弾となる「アフリカの庭」を企画監修してくださったジャポニカ学習帳、
商品開発本部の方々にお話を伺っています。
気分はアフリカ探検!
水辺、草原、砂漠と3つの庭、それぞれの注目ポイントは?
前回は、「もっとやる気の庭」の第一弾のテーマがアフリカになった経緯を伺いました。
今回は、いよいよ3つの庭の魅力について迫りたいと思います!
ライター江角
今回の「もっとやる気の庭」は、アフリカを軸にテーマが3つに分けられていますね。
須賀さん
はい。「水辺」「草原」「砂漠」と3つの庭を用意しています。今回の「アフリカの庭」を通して子どもたちに伝えたかったことは、大自然の成り立ちや共生といったことでした。
たとえば、花が受粉するには昆虫の助けが必要です。花が色鮮やかに咲いているのは、昆虫を呼び寄せるためなど、花の色や形には何かしら理由があります。昆虫もまた、花の蜜を吸うことでエネルギーをもらっています。私たち人間を含め、生き物は決して1つの種類では成り立っていないんですよね。お互いが生き物の営みに欠かせない存在であるという、大自然の成り立ちについても考えてもらいたい。「水辺」「草原」「砂漠」と特徴のある3つの庭に分けることで、ジャポニカ学習帳で伝えたかったことのひとつが表現できるのではないかと思いました。
ライター江角
「アフリカの庭」には、そんなに壮大な思いが込められていたんですね!
ではまず、「みずべの庭」の注目ポイントから教えていただけますか?
須賀さん
水は人間の営みに欠かせないものです。アフリカの水辺にはパピルスが生えており、世界で初めての紙はこのパピルスから作られたという歴史があります。また、アフリカは雨期と乾期に分かれていて、乾季の終わり頃になるとオグロヌーが食べ物である草を求めて大移動を始めます。途中大きな川を渡るときに、水に潜って獲物を待っているワニに食べられるヌーも出てきます。ワニは凶暴だと思われるかもしれませんが、ワニにしてみたら、それは生きていくために必要なことなんですよね。
そうした水辺で繰り広げられることにも、さまざまな角度から考えてもらえたらいいなと思います。
ところで、ワニに食べられるヌーの数と、川に流されて死んでしまうヌーの数、どっちが多いと思いますか?
ライター江角
ワニに食べられる方でしょうか…?
須賀さん
実は、ワニに食べられる数より、移動中に川に流されてしまうヌーの方が多いと言われています。でも、ヌーが川に流されてしまったとしても、結果として、川の栄養が豊富になるんです。どれをとってもアフリカの大地に欠かせない存在であり、すべてが繋がっているんですよね。
ライター江角
ヌーが川に流されて栄養が豊富になるとは!そうしたことを知ると、大人でも楽しいですね〜。ほかに「みずべの庭」で注目のアイテムはありますか?
須賀さん
どれもオススメですが、カワスズメという魚の生態がちょっと変わっているので、お子さんは興味を持ってくれるんじゃないでしょうか。カワスズメは、口の中に子どもを入れて子育てするんですよ。
伝説のやる木族
ユニークだなぁ!アイテムでもその様子がしっかり表現されてるっ!
ライター江角
続いて「そうげんの庭」はどうですか?
須賀さん
ここでは子どもたちもよく知っているであろう、百獣の王・ライオンが登場します。ライオンはネコの仲間で、群れで暮らしているのですが、群れは、率いる父親と母親と子どもたちの家族で構成されています。群れ同士で縄張り争いなどもあり、争いがおこれば家族みんなで群れを守り戦います。獲物を獲るのは、家族のお母さんとその娘たちといった、メスが中心に狩りをします。
子どものオスは、時期がくると自分の子孫を残すために、新しい群れを探しに出ていくこともあります。ライオンのオスは、群れの長を決める戦いをたびたび行い、負けてしまったオスは、群れを追い出されてしまうんです。
ライオンにとって家族の群れはサバンナを生き抜くためにとても大切なもので、その分、家族愛はすごく強いんですよね。アイテムをゲットすることでそうした詳しい解説も読めるようになっているので、コマを進めることで知られざる習性に興味を持ってもらい、自分たちで調べるきっかけへと繋がったらいいなと思います。
ライター江角
狩りはオスが中心になってするんじゃないんですね…!知りませんでした。
須賀さん
そうなんです。また「そうげんの庭」には、イタチの仲間であるラーテルという動物も登場しますが、ラーテルは夜行性なので、昼間に活動することはありません。一方、ミーアキャットは早起きで朝に活動をするので、庭の中でも、そうした実際の時間軸に合わせて登場するようにしています。
ライター江角
イラストではスタート地点が朝で、コマが進むにつれて日が暮れて、ゴールでは夜になっています。アイテムが登場する順番にも、そうしたこだわりがあったんですね。
伝説のやる木族
設定が細かいっ!!
水野さん
ええ。ジャポニカ学習帳に掲載する内容もそうなのですが、例えば新たな学説が登場して、これまで掲載していた内容が変わったり、スポーツも時にルールが変わったりすることがあります。そういう場合は、最新の確かな情報が載せられるようつねに更新をしています。
ライター江角
なるほど〜、そうだったんですね。
では最後に「さばくの庭」の見どころについて教えてください。
須賀さん
砂漠に関しては、日本の土地とまったく違った環境にあり、そこに住む生き物たちがどうやって工夫して生き延びてきたのかというところにスポットを当てました。なので、アイテムとしてもさまざまな進化をすることで砂漠の暑さを切り抜けてきた植物や動物を取り上げています。
「ウェルウィッチア」は、世界で最も醜い植物といわれていて、長い根を伸ばし地面の奥から水をとっていたり、「ナラメロン」はトゲトゲの実がなる植物で、なんと100年も生きるんだそうです。アイテムとしての見た目は決して可愛くはないのかもしれませんが…(笑)日本では決して見られない、馴染みのない植物だからこそ、興味を持ってもらえるのではないかなと思っています。
水野さん
アイテムをゲットして、コマを進めて、「ここまで行ったら次の休みは水族館に行ってみようか」と、ご褒美を設定してみてはどうでしょうか。やる気の庭はあくまできっかけで、子どもたちの興味が行動へと繋がったらいいなと思います。
ライター江角
本当にそうですね!今回の「アフリカの庭」には、親である私自身も知らない植物、生き物がたくさんあったので、気になったら図書館に一緒に行って調べたり、動物園に行って改めてライオンを観察したりしてみたくなりました。今回の3つの「アフリカの庭」は、子どもたちにとっても新しい世界に興味を持つきっかけとなってくれそうです。
本日は興味深いお話をたくさん聞かせていただき、ありがとうございました!
伝説のやる木族
「アフリカの庭シリーズ」は「しゅくだいやる気ペン」の『もっとやる気の庭』で手にいれることができるぞ!夏休みの宿題をやる時は、ぜひ、アフリカの庭シリーズにチャンレンジして、アフリカの大地を楽しく探検してみてくれ!