2022.09.07
タスク管理上手になるには?~みんなのやり方を聞いてみた~
効率的に仕事や勉強を進めるために不可欠なタスク(ToDo)管理。この記事を読まれている皆さんも、仕事や日常生活の中で"タスク管理"にお困りなったことがあるのではないでしょうか。「タスク管理が上手な人ってどうやって管理しているんだろう...」「今のタスク管理の方法より、もっといい方法があるなら知りたい!」と、思うこと、ありませんか?
今回のタスク管理の記事を書くにあたって、コクヨの公式Twitter、Instagram、LINEフォロワーの方々に協力をお願いして、タスク管理に関するアンケートを行いました。
回答総数は252。回答者の方々の年代・職業は以下となりました。
この記事では、学生から社会人までみんなのタスク管理に関するお悩みや、その解決方法をお伝えしていきます。
みんなにタスク管理のやり方を聞いてみた
まず、アンケート回答者の皆さんのスケジュール管理・タスク管理について、デジタル派かアナログ派どちらが多いか見てみましょう。
スケジュール管理に関しては、半数がアナログ、4割がデジタルという結果。それがタスク管理となると、一気にアナログ派が増える傾向となりました。
今回、文具メーカーであるコクヨのアカウントフォロワーさんの回答であることで、若干アナログ派に偏る傾向はあったかもしれませんが、これだけスマートフォンが普及する中で意外と多い印象でした。
さらに、スケジュール管理とタスク管理をクロス集計するとこのような結果に。皆さんはどのタイプですか?
デジタル派の意見としては、
リマインダー機能があるため忘れにくい
他者と共有しやすい
訂正や変更に対応しやすい
といった、デジタルならではの利点に触れたものが多くありました。
逆にアナログ派の意見では
書くことで記憶に残る・後で振り返りが出来る
終わったタスクを消すことで達成感がある
自分なりのアレンジができる
など、アナログの利点に触れたものや、そもそも「書くことが好き」という意見が多く見られました。
タスク管理の困りごと
よく言われているタスク管理の方法として、「可視化して優先順位と重要度を明確にする」「進捗状況を管理する」などがありますが、「実際どうすればいいの?」と思うことはないでしょうか。
次のアンケートでは、今現在タスク管理について困っていることを聞いてみました。
タスク管理の方法(アナログ派)
期日が決まっているタスクと、決まっていないタスクの整理が難しい。
手書き派だけど、書いた後にタスク順序の入れ替えなどがデジタルのように簡単にできないか。
タスクを付箋メモに書いて貼っているけれど、時間が経つと景色のように...。物によっては剥がれてどこかに行ってしまうことも。
やることだけじゃなく、やったことも可視化できればモチベーションになって効率よく仕事を進められそう。
道具の選定(アナログ派)
付箋がいいのか、メモがいいのか、それともPCの付箋メモアプリを使うべきか悩む。
使う紙のサイズ感はどれくらいがいいのか、なかなか自分が使いやすいものに出会えない。
道具の使い方(アナログ派)
タスクを次の日に伸ばすとき、次の日分にまたタスクを書くのが大変。
スケジュール帳を使っているため、月をまたぐ時は管理がしづらい。
定期的なタスクの場合、何度も同じ付箋を作ることがもったいない。
デジタル派の困りごと
スケジュール通りに消化できないと、単なる備忘録に。優先順位付けされたリストの消化がさらに難しくなる。
タスクの全体像を見渡せない。
書いているだけ、になりがち。
アナログ派・デジタル派ともに、皆さん色々と困りごとがある様子。アナログにはアナログの、デジタルにはデジタルの良さがあるものの、両方をうまく生かせる方法も知りたいですよね。
本文の最後に、実際の事例付きでご紹介したいと思います。
タスク管理がうまくなるコツ
では、ここからはタスク管理の具体的なコツを解説していきます。
まずはタスク管理が上手な人が行っている方法を真似して、自分なりにブラッシュアップしていきましょう。
1.今あるすべてのタスクを書き出して全体像を把握する
まずは今持っているタスクをすべて洗い出すことからはじめましょう。
頭ではわかっているつもりでも、実際に書き出してみると忘れていたタスクを思い出すこともあります。
たとえば、上司やチーム内からチャットツールやメール等のツールで投げられたタスクは、ツール内に置いておくのではなく、アナログでもデジタルでも、自分用に書き出すことが大事です。
2.洗い出したタスクを具体的にする
洗い出したタスクは、できる限り業務内容までしっかりと具体的にしておきます。
たとえば、「顧客対応をする」というタスクの場合、「〇時に△さんに□の件で連絡をする」など、詳細な時間や行動を明確にしておきます。
タスクの抽象度が高いと着手しにくく、とくにチームで動く場合や部下に仕事を投げる場合などには、「誰が見てもわかる・すぐ行動に移せる」ように、具体的にしておく方がよいでしょう。
3.タスクを「重要性」と「緊急性」に分ける
よく「タスクは優先順位を決めて消化しよう」と言いますが、優先順位を決めるというと「早めに遂行する」「後回しにする」の2択になりがちではないでしょうか。
しかし、タスクの優先順位を決める場合、以下の4つの項目に振り分けることが大事です。
A)重要かつ緊急 B)重要ではないが緊急 C)重要だが緊急ではない D)重要でも緊急でもない
重要や緊急の定義については、各個人や業務内容によって異なりますが、"緊急"であれば「いつ(何時)までに終わらせなければならない」という数字を決めます。
"重要"の場合であれば「自分以外の誰かが関わるもの」などの定義づけをしておくとわかりやすくなるでしょう。
このようにタスクの位置づけを行うことで、優先順位を明確にし実行することができるようになります。
4.「今やらなくてもいい」タスクを決める
業務を行っていると、それに関連した業務が紐づいて出てくる場合があります。ですが、それは「今やるべき」タスクでしょうか?
タスク管理で重要なことは「今やらなくてもいい」タスクを決めることです。
当初のスケジュールの中に含まれていないタスクに時間を割いてしまうのを避けることで、本来やるべき業務に時間を割くことができます。
タスク管理を行う場合、一般的には「やるべきタスク」ばかりを書き出しがちですが、「今やらなくていい」タスクもしっかりと書き出し整理することで、仕事をスムーズに進めることができます。
5.タスクをスケジュールに組み込む
まず、細分化した各タスクにかかる時間を見積もります。タスクごとにかかる時間を出し、1日のタスク量の目安を出しましょう。
1日の業務時間の中にタスクは詰め込みすぎず、空白の時間を作り出し、余裕をもったスケジュールを組みます。
そうしておくことで、後から急に緊急性の高いタスクが発生しても余裕を持てる状態にしておきます。
6.タスクには必要な情報を一緒に記載する
タスク管理を行う際には、そのタスクを実行するうえで必要な資料や情報は一緒にまとめて記載しておきます。
最初にタスクに必要な情報を紐づけておくことで、実行時に探す手間が省け無駄な時間を減らすことができ、効率よくタスクを消化できます。
ただし、この方法はアナログでは難しいため、タスク管理と情報管理を一元化するツールを活用するのがおすすめです。
実践!アナログ派にオススメの方法
さて、ここからは冒頭のアンケートとタスク管理のコツを踏まえて、主にアナログ派の皆さまのお悩み解決に役立つ、手帳やメモ帳などのツールを使ったタスク管理の実践事例をご紹介しましょう。
持ち運びに便利な測量野帳を使ったシンプルな方法
(画像は取材をもとに再現したもの)
営業担当Aさんのタスク管理は測量野帳。
まず1週間の始まり(月曜日の朝)に今週やるべきこととやりたいことを1ページにまとめて書き出し、それぞれにランク付けをします。重要かつ緊急(今週絶対に終わらせること)は「A」、重要だけどさほど急がないことは「B」、出来ればやることは「C」。
続くページは日常の電話や打ち合わせのメモ帳として使います。
終了したタスクには取り消し線を引き、週の途中で追加されたタスクは随時野帳に反映していきます。
また、1~2ヵ月先を見据えた中長期タスクは、別ページに。折に触れて開けるように、ページ角に印をつけたり、付箋を貼っておくのがオススメです。
仕事のすべてが1冊に集約される形になっているのがポイント。一日に何度も開くノートにタスクをまとめる習慣をつけることで、見直しや追加、変更にも対応しやすくなると言います。
1日1ページ手帳「ジブン手帳Days」を活用する方法
コクヨマガジン編集担当Oさんは、1日1ページ手帳をスケジュール帳ではなくタスク管理帳&振り返り用に使っています。
まず、各ページの左側のチェックボックスに沿って、その日のうちに「やらないといけないこと」「やっておきたいこと」を書き込みます。仕事中はこれを傍らに置きながら、1個ずつ片付けていく、という形です。終わったらチェックボックスにレ点を付けるのが終了の印。バレットジャーナル方式ですね。
※バレットジャーナルって何?という方はぜひコチラをどうぞ!
また、不意に送られてきたメールの返信に想定外の時間をかけてしまい、予定していたことができなかった経験から、返信を急がないややこしいメールなどは、迷わず、次の日のページに「○○さんに返信」と書いていったんフタをする。そして、自分の予定を遂行します。そのためにも、タスク管理帳は傍らにいつも置いておくのがオススメです。
一日の仕事が終わってからやることは2つ。
一つは終了マーク(レ点)が付かなかったタスクに山型のマークを入れて、同じ項目を次のページの左側に書き写します。
アンケートではこの作業が面倒くさい、という声もありましたが、Oさんは書き写すことで「明日はこの書き写し作業をしないぞ!」という「感情」を伴う記憶になるため、自分自身を駆動させるエンジンにもなるのだとか。
そしてもう一つは、各ページの右側に今日の仕事や、今日あったことの振り返りを書くこと。嬉しかったことや、逆に失敗した!と思ったことなど、自分が「覚えておきたいこと」を書き入れます。ごく短い日記代わりになり、後から見返すと、その日の出来事をリアルに思い出せる効果がありそうです。
なお、今すぐやらなくてもいいけど、1~2ヵ月程度のスパンで必ず向き合わないといけない仕事については、手帳ページには書かずに付箋に書いて、常に見えるようにしておきます。見開きのページが変わるごとに付箋も貼り換えます。「付箋に書いたテーマは割と重たいものになることが多い」からこそ、逃げ腰になりがちな自分に発破をかけるべく、毎日見えるようにするのがポイントです。
デジタルツールと文房具をうまく組み合わせよう
アンケートの中でも、タスク管理をデジタルツールで行う人の声の中に多かったのが「リマインダー」と「共有」機能。
確かに、ノートや手帳は今日やるべきことを積極的にリマインドはしてくれません(笑)。
今回、測量野帳とジブン手帳を使っていた二人とも、実はデジタルツールも活用しています。それは書き出したタスクを元に、毎朝、その日やることを、職場で使っている予定共有用のカレンダーアプリに、所要時間を踏まえて入力すること。
タスク管理のコツにもあった「タスクをスケジュールに組み込む」部分はデジタルでやっていることになります。
こうすることで、プッシュ通知を受け取ることもできますし、同僚や上司に今日の仕事内容を共有することもできます。
ポイントは、多少の余裕をもってスケジュールに入れること。
タスク所用時間の見込みはどうしても多少のズレが発生するもの。9時から18時までびっしりスケジュールに組み込んでしまうと、タスクが完了しないうちに次のリマインダーに追い立てられて、心身共に疲労する原因になりかねません。
予定していたより時間がかかってしまうのはある程度仕方のないこと。あまり自分を追い詰めすぎないようにしましょう。
また、この作業は当日朝に行うのがオススメです。あまり早くやりすぎると周囲の同僚や部下が「あの人に相談したいけど忙しそうだから・・・・」と声をかけづらくなったりします。翌日以降の会議や打ち合わせには柔軟に対応できるようにしておきましょう。
タスクをデジタルツールに落とし込むことで、自分へのリマインダー・チームとの業務の共有を図りつつ、「1時間で終わらせるぞ」という意識も働き、効率的に仕事が進むことも。また急な依頼やトラブルはどんな仕事にもつきもの。1日1~2時間分の余裕をもって入力しておくのもポイントです。
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今回のアンケートではアナログ派の多かったタスク管理ですが、デジタルツールも組み合わせることによって、より効率的に管理できる可能性についてもお伝えしました。
タスク管理のコツを自分なりにブラッシュアップしながら、ぜひタスク管理が上手な人を目指していきましょう。
測量野帳
もともとは測量用に作られたノートですが、徐々に建築業をはじめ屋外で作業をする人用のメモ帳として普及。表紙・裏表紙が固く、立って書くことに最適なうえ、持ち運びしやすいのが特徴です。2020年春以降は方眼罫の罫線の色を少し薄くしたバージョンも発売中。
ジブン手帳DAYs
ジブン手帳DAYsの最大の特徴は1日1ページであること。中央にひかれた時間軸を使ってスケジュール帳としても使えますが、その他にも、日記帳やライフログ、タスク管理などにも。使い方は使い手のアイデア次第です。表紙のカラーバリエーションは4色です。