2022.04.12
資格の勉強が続かない大人たちへ~気になる勉強法や時間の作り方について聞いてみた~(シリーズ資格の勉強 前編)
コロナ禍でできたおうち時間を資格取得やスキルアップのための勉強に充てようと思ったけれど、なかなか続かない...そのようなお悩みを持つ方に向けた企画「シリーズ 資格の勉強」。1回目の今回は、実際のところ、働きながら資格の勉強をしたことがある社員向けアンケートから目的、勉強時間、勉強場所、勉強方法、モチベーション維持の秘訣を探ります。
実際どうなの?資格勉強経験者にアンケートを実施
コロナ禍でできたおうち時間を資格取得やスキルアップのための勉強に当てたいと思う人が増えています。
しかし、同時に、どうしたら効率的に勉強できるか、どのような自分にとってどのような勉強法がよいかが見えずに、「勉強が続かない」という悩みをもつ人も増えています。
そこで今回は、最近資格取得のための勉強をしている、ないし、資格取得の勉強をした社員にアンケートを実施しました(2022年3月実施、n=25)。
■アンケート回答者属性
答えてくれた社員の属性は以下のとおり。男女比はほぼ半々、年代も均等に分かれています。
何を学ぶ?時間はどう作る?どうやって学ぶ・・・?一つずつ見ていきましょう。
資格勉強の目的は「純粋に興味がある/学んでみたい」が1位
アンケート結果で1番多かった回答は、「純粋に興味がある/学んでみたい」というもの。
■勉強の目的を教えてください
働き方が変わる中で、自分が使える時間に余裕ができ、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)を上げたい、より豊かな生活を送りたいという気持ちの表れなのかもしれません。
本業とは違うことや、以前からやってみたかった趣味など、自分の知的好奇心を満たすための勉強は楽しいものです。
次に多かったのは、「現業のスキルアップ・専門知識の習得」と「現業に関するキャリアアップ」でした。やはり社会人である以上、スキルアップやキャリアアップに関する勉強も必要不可欠なところ。将来的な自己投資として、勉強しておいて損はありません。
ちなみに、受験しようとしている(した)試験についても聞いてみました。
簿記、ファイナンシャルプランナー、ITパスポートなど、会計系・IT系が多かったものの、中小企業診断士や秘書検定、保育士、色彩検定など実務系の各種資格もバリエーションの多い回答となりました。
知識系の資格では、世界遺産検定のほか、大阪検定や知識検定といった少々変わり種のものも。
1日平均の資格勉強時間は「30分~1時間」が過半数に
1日の平均勉強時間は、30分~1時間が約半数を占めました。忙しい社会人の実態としては納得感があります。
■一日の平均勉強時間を教えてください
なかには10分~30分という答えもあり、意外と短いなとも感じましたが、無理のない範囲で行うことが勉強を継続させるための秘訣かもしれません。
最も多い勉強の時間帯は「就業後~寝るまでの間」
勉強している時間帯についても聞いてみました。
■いつ勉強していますか?
やはり就業後~寝るまでの時間帯が最も多く、こちらも納得感のある結果となっています。
ただ、意外にも多かったのが「特に決めずにできる時に勉強する」という臨機応変型。これは余程勉強に対する姿勢が整っている人じゃないと難しそうです。(筆者はダラダラとしてしまうので無理です...。)
また、通勤時間に勉強している、始業前や昼休みに勉強しているという人も。家庭をもっていたりすると、家での勉強時間を確保することはなかなか難しいと思いますし、隙間時間を有効活用して勉強しているようです。
勉強する場所は「自宅」が約8割
勉強する場所については、自宅が1番多く8割ほど。なかなか外出できないコロナ禍という制約もありそうです。
ですが、「自宅では集中できない」という場合にはカフェやファミレス、図書館など、自分が落ち着ける空間で勉強している人もチラホラ。
勉強方法は「問題集や過去問などを解く」が1位
資格取得の勉強において、もっとも気になるのが勉強法です。
いざ、資格取得の勉強を始めよう!と思ったはいいけれど、「勉強ってどうやってしていたっけ?」「何からはじめたらいいの?」なんて状態になったこと、ありませんか?
■どのように勉強していますか
アンケートの回答で最も多かったのは、やはり「問題集や過去問などを解く」でした。次に多かったのは「参考書を購入して読む/マーカーや付箋を使う」でしたが、どちらも資格取得の勉強法ではあたり前のこと。
しかし、今回のアンケートでは「学習アプリを活用する」「YouTubeで関連する動画を見る」など、スマホ・動画サイトなどを上手に使っているという声が目立ちました。
学生向けの学習塾でも、今やオンラインがあたり前になっています。コロナ禍になったことで、従来よりも格段に「オンラインで学ぶ」ことがやりやすくなったのではないでしょうか。
資格勉強にかける費用は「5000円未満」が6割
勉強するための費用についても聞いてみたところ、5,000円未満が6割。参考書や過去問などを使い、独学で勉強している人が多いのではないかと推測できる結果に。
■勉強に費やした費用はどのくらいですか(受験料を除く)
3万円以上の人は、学校や通信教育などの教育機関を利用していました。
学校を卒業しないと取れない特殊な資格などの場合を除けば、独学で勉強することが費用的にも無理のない範囲ではないかと思います。
モチベーションを維持するための工夫は?
資格の勉強をするうえで、よく聞く問題が「勉強が続かない」だと思います。原因はさまざまですが、「忙しくて時間がない」「やらされている感がある」などがありますね。
そこで最後に、勉強を続けるためにしている工夫を聞いてみました。さまざまな回答が挙がりましたが、その中でも特に「いいな」と思ったものをピックアップします。
ゴールを設定して、常に見えるようにしておく
目標を決めて、いつも見えるところに貼りだす
資格取得の勉強をするとき、まずは自分がその資格を取って「どんな自分になりたいか」を描いておくことが大事。ゴールが見えないまま走るのは、とても疲れるし、何を目標に走っているのかわからなくなってしまします。そうなるとモチベーションは一気に下がってしまい、勉強の継続が難しく感じてしまいます。設定したゴールは、いつも目に付く場所に貼っておくという声もありました。
具体的なゴールが想像できない場合は、「やりたかった部署に異動できるかもしれない」「昇給・昇進するかもしれない」「転職・独立できるかもしれない」といった「○○かも」という状態をイメージするのもありですね。
受験料を先に払う
試験日を決めて受験料を先に払う
やらなければいけない状況に追い込むのは最もシンプルで最も効果的かもしれません。試験日を決めて、先に受験料を払うことで、「受験しよう」と決めた時の気持ちを長続きできます。
通勤時間を有効活用
電車通勤からバス通勤にし、座って読む時間を作った
勉強する時間を捻出するために、通勤形態から変えたパターンです。電車通勤の場合、乗り換えが多くて結局参考書を読む時間が無い、混んでいたら参考書を開くスペースさえ無い、なんてことも。そういった環境では、通勤時間を使って勉強しようとしてもままなりません。そこで、自分が勉強できる環境を作り出したというわけですね。
習慣化のルールを決める
お風呂から出たら参考書を開く、といったマイルールを作っていた
ルール化し、ルーティンにすることも勉強をするうえで大事なポイントです。歯磨きなどと同じで、「やらないと気持ち悪い」という状態にもっていくことで、継続できるようになります。
勉強した時間・やった事の見える化
勉強した時間を記録するようにした
1日の勉強時間を記録することで、その日の自分のモチベーションを視覚化し、客観的に見ることができます。
「この日は全然勉強できていないな、何があったんだろう」「この日はとても集中できているな」など。客観的に見ることで、自分がどのような状況で勉強ができているかがわかるため、勉強できる状態に身を置きやすくなります。
成長を見える化する
過去問アプリで正答率をトラッキングしていた
わかるようになった自分を見える化できるため、こちらもモチベーションアップにつながりやすそうです。
周囲の人を巻き込む
家族に受験することを話す
友だちに受験することを話して自分にプレッシャーをかけた
自分一人での勉強は、なかなかモチベーションを維持しづらいものですよね。そこで、家族や友人に受験することを話してみるなど、周囲の人の存在を力に変えるという方法もあります。
また、同じタイミングで受験する仲間を作ることで、定期的に進捗確認ができる状態にすることも良さそうです。
この後は実践例のインタビュー
今回は社員アンケートから目安に使えそうな数字や参考になりそうな声を中心にご紹介しました。
中編・後編はさらにもう一歩踏み込んで、実際に資格取得のための勉強を、どのような目的で、どのようにやったのか、アンケート回答者への取材を通じて見えてきたことをご紹介します!